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現場の熱中症対策/発注者にも理解広がる/夏場の工期見直し必要  [2018年7月26日1面]

空調服の着用など現場ではさまざまな対策が講じられている(写真はイメージ)

給水器を設置

 35度以上の猛暑日が相次ぐ中、各地の建設工事現場や災害復旧の現場では、連日と変わらない急ピッチの作業が行われている。水分補給や休憩の確保を徹底。作業前に水分の吸収を促す経口補水液の摂取を求めた現場もある。24日が起工式だった公共工事の現場では、発注者が「命が一番大切。休憩を取って」と現場関係者をねぎらった。施工者からは工期の見直しを求める声も挙がっている。
 午前と午後の休憩を増やし、体を冷ましながら水分補給を勧めているのは、東京都内で進む五輪関連施設の建築工事現場。暑さ指数を測定し、休憩時間を延長する措置を講じ、ファン付きの空調服の着用を推奨している。40度前後の日も多い関東北部の現場は、日よけやミスト付きのファン設備、休憩所を増やすという。「この天気なので(熱中症対策は)当然。休憩を取って工事をやっていただきたい」と発注者が気を配っており、所長は「こまめに涼めるようにしたい」と対策を徹底する構え。職長会と対策を協議中の現場は数多くある。
 気象庁が「災害級」と指摘する暑さとあって、工期の在り方を問う意見も出てきた。「契約時にこんな猛暑になるとは想定していなかった」と語るのは、24日に施工物件の式典に出席したあるゼネコンの経営トップ。気温が一定以上になると作業の中止を措置する国があるのを念頭に、「上限以上なら作業をストップしたり、契約工期にその期間を上乗せしたり、業界全体で制度づくりに取り組んでいかないと」と危機感を込めて指摘した。
 工期を順守しようと、作業の中止をためらう現場が少なからず存在する。日本建設業連合会(日建連)の山内隆司会長は「安全に仕事をするための手を打てるだけ打ち、作業所、ゼネコン、協力会社がそれぞれ努力してほしい」と注意を呼び掛ける。宮本洋一副会長は「熱中症を現場から出さない措置」の徹底を要望。押味至一副会長は「働き方改革は作業環境を含めて見直すこと」と指摘し、作業環境を根本から変える必要があるという見方を示す。
 猛暑の影響は関係省庁も懸念し、国土交通省は、17年策定の熱中症対策事例集を参考に「予防の取り組みや事例を広く現場に生かしてもらいたい」(五道仁実官房技術審議官)と求めている。
 建設団体と「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を展開中の厚生労働省は、「ちゅうちょせず医療機関を利用してほしい」と警鐘を鳴らしており、夏季の働き方を巡る現場の対応が注目される。

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