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国交省・森昌文事務次官が就任会見/働き方改革・生産性向上施策の実効性高める  [2018年8月24日1面]

インタビューに答える森国交事務次官=22日夕、国交省で

 国土交通省の森昌文事務次官は22日、日刊建設工業新聞など専門紙各社と就任会見し、建設業の働き方改革や生産性向上に関する施策を着実に推進する考えを表明した。現場での実効性を高めるため各種施策の改善にも取り組む。自然災害からの復旧・復興とともに、防災・減災対策やインフラ老朽化対策に力を注ぐ方針。社会資本の計画的な整備・維持管理に必要な公共事業予算を安定的・持続的に確保していく考えを示した。
 森氏は7月の豪雨災害などを念頭に「雨の降り方とそれに伴う被害の起こり方が激甚化している。東日本大震災以降、地震、津波、風雪害が頻発しており、都市部、地方部を問わずさまざまな被害が発生している」と分析。自然災害の傾向を踏まえ、「省を挙げて危機管理に取り組むとともに、被災地の復旧・復興に全力を注ぐ」と強調した。
 少子高齢化社会を迎える中、「建設業は生産年齢人口の減少の影響が顕著に現れてくる」と指摘。その上で「地域の守り手や災害復旧の担い手という重要な役割を果たしてもらうには働く環境を改善し、担い手を確保しなければいけない。それには夢や希望がある業界にしていくことが重要だ」との認識を示した。
 働き方改革と生産性向上の実現に向け、「i-Constructionをはじめ新技術の開発促進や現場導入といった施策と、週休2日や処遇改善など労働環境に関する取り組みを着実に進める。施策の実効性を高めるため業界との連携を一層密にし、現場の意見をしっかり伺う。できるものは即実行に移していきたい」との考えを示した。
 老朽インフラ対策の重要性も強調。定期点検で収集したデータを活用し、適切にメンテナンスを実施するため、「人材と費用の確保という大きな課題について検討を進め、効率的で適正なライフ・サイクル・コストに基づくインフラメンテナンスを実行に移していく」と述べた。
 同省の有識者委員会が建設業法改正などを視野に審議した結果を6月に取りまとめた。法改正の具体的な議論はこれからとした上で、「働き方改革は、公共工事を中心に取り組むだけでは十分ではないといわれる。民間工事の発注者にも建設業の活力維持を応援いただけるよう理解と協力をお願いしたい」との考えを示した。
 必要な公共事業予算を安定的・持続的に確保する方針を示し、「建設業が中長期的な事業展開を見定める上でも予算の仕組みが大事だ。特に国土強靱(きょうじん)化や安全・安心の確保の観点から、災害に関する補正予算の議論がどう進むか期待しているし、その必要性を強く訴えていきたい」と述べた。
 (もり・まさふみ)1981年東大工学部卒、建設省(現国土交通省)入省。官房技術審議官、近畿地方整備局長、道路局長、技監を経て、7月31日付で現職。奈良県出身、59歳。

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