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北海道胆振東部地震/地盤工学会、土木学会/地盤災害緊急報告会開く  [2018年9月13日2面]

 ◇過去の教訓生かされず
 地盤工学会(大谷順会長)と土木学会(小林潔司会長)は12日、東京都千代田区の日本大駿河台キャンパス理工学部8号館で「北海道胆振東部地震による地盤災害緊急報告会」を開いた=写真。札幌市清田区の造成宅地で発生した地盤の液状化と陥没の現場を調査した専門家は、「いずれも谷部を埋土して造成した住宅地で、2003年の十勝沖地震で同様の被害が見られた同じ地域で起こった」と指摘。その後に対策が行われず、教訓が生かされていなかった可能性もあると報告された。
 同工学会は、地震発生後の石川達也北海道大教授を団長とする「平成30年北海道胆振東部地震による地盤災害調査団」を設置し、6日から清田区の里塚造成宅地を含む液状化・陥没の被災地とともに、厚真町の吉野、富里両地区の広範囲・大規模な斜面崩壊地を調査した。
 石川団長は、大規模な地盤沈下など甚大な被害が出た清田区里塚1条地区の造成宅地の液状化について、「谷を埋め土を盛った緩傾斜地であり、谷地に沿って広範囲に液状化現象が起こった」と要因を指摘。上端部から下端部にかけて液状化した地盤が流出したのは、「上端部で地下水位が低く液状化層が深かったため、下端部の一部から流出した」と分析した。
 同様に液状化被害があった清田6~7条と美しが丘も調査した結果、03年の十勝沖地震で液状化被害が顕著な地域だったことも明らかにした。里塚1条は十勝沖地震時には軽微な液状化が見られていたが、今回の地震は北海道で初の内陸断層直下型の震度7クラスの地震だったことから、被害が大きくなったとの見方も示した。
 続いて川尻俊三北見工業大教授が厚真町で起こった吉野地区と富里地区の広範囲・大規模な斜面崩壊の調査結果も公表した。両地区ともに降下火砕物堆積物が堆積岩の上に分布し、サンプル調査で含水比が150%を超える泥水状のクイッククレイもあったと説明。「同じような地形条件の箇所に、同じような性質の土が堆積し、同じような強振動を受けた結果、多くの箇所で同時多発的に斜面崩壊が行った」と述べ、表層崩壊と深部崩壊が複合的に発生していることを明らかにした。
 大谷会長は「今後は液状化の流動メカニズムの解明、斜面崩壊のすべり面の地質を推定するなどの調査結果と研究成果を生かして危険箇所リスク評価と防災・減災対策を提案する」と表明した。

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