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ゼネコン各社/育児支援で新制度の導入広がる/育児休業取得率は男女で明暗  [2018年10月15日3面]

建設業界でも事業所に託児所を開設する取り組みが本格化しつつある(写真はイメージ)

 ゼネコン各社が子育て世代の社員を対象にした育児支援策を拡充している。日刊建設工業新聞社が実施した働き方改革に関するアンケートで明らかになった。休暇取得などで法定よりも手厚い制度を運用している企業もある。ただ、育児休業の取得は依然として女性が大半を占めている。女性の活躍を後押しするには、男性の育児への参加がますます重要になりそうだ。
 =第2部「創刊90周年記念特集号・第2集」7~8ページに他のアンケート結果を掲載
 調査はゼネコン34社を対象に8月29日~9月13日に実施し、29社から回答を得た(回収率85・3%)。
 共働きの世帯が増える中、女性だけでなく男性も子育てができる働き方が求められている。17年10月に施行された改正育児・介護休業法により、子どもが保育所などに入れない場合、最長2歳まで育児休業の再延長が男女問わず可能となった。
 アンケートで育児休業の取得率を15~17年度の3年間で聞いた。回答した26社のうち、女性の取得率は16社が3年間とも100%だった。3社が2年間100%、1社は1年間100%。一方、男性の取得率は低く、3年間とも0%が2社で、4社は2年間0%、7社が1年間0%だった。
 育児休暇など独自の取り組みについても聞いた。鹿島は「最大で子どもが2歳になるまで育児休業を取得できる。また最大20日まで積立年休の取り崩しにより有給で取得できる」と回答した。大成建設は「子どもが2歳の誕生日前日までいつでも休暇を取得可能。育児休業期間のうち最長5日間は通常の勤務を満たしたものとみなし、有給とする」と答えた。
 三井住友建設は「育児休業の10日間を有給化。保育所に入所できなかった場合の延長措置を3年とする」制度を運用している。
 子どもの看護のために休暇を取れる制度は、前田建設や東洋建設、淺沼組など多くの企業が設けていた。鴻池組は「育児に関連する時短勤務期間を小学校就学の始期に達するまでとしている」と回答。熊谷組や若築建設などが同様の制度を設けていた。
 男性向けの制度を導入している企業もある。大林組は配偶者出産休暇を1人につき5日まで取得可能。清水建設や竹中工務店などが配偶者の出産時に2日間の出産休暇を、東急建設は配偶者の産後休暇期間中、2日を限度に配偶者出産休暇が取得できる。
 このほか、竹中土木は育児などで業務時間に制限のある社員と制限のない社員でペアを組み、業務を行う「グループ内チームペア制」を導入。実際に制度を運用している部署がある。安藤ハザマは育休を1カ月以上取得した人に限り、認可外保育園・ベビーシッター利用時の補助金を支給する。
 経団連は9日、就職・採用活動の解禁時期を縛る「就活ルール」を2021年春入社以降の新卒者から廃止することを決定した。建設業界でも今まで以上に人材争奪戦の過熱が予測される。社員の育児や介護を支援する制度は企業を選ぶ判断材料の一つとなる。各社には制度の拡充と同時に、利用しやすい環境整備がより求められそうだ。

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