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着用型作業補助装置が続々登場/新規参入で低コスト・軽量化競う/建設業界も注視  [2018年10月17日3面]

早大と旭蝶繊維が開発した「イージーアップ」

 着用することで重量物の運搬などで作業負担を軽減する装置が続々と開発されている。物を持ち上げたり、運んだりする際の人の動きを補助し、腕や腰の負担を少なくする。作業服メーカーやロボット開発などのベンチャー企業が参入。機能性に加え、低コストや軽量化を実現している。介護現場に続き、建設現場での導入も広がりつつある。
 職業疾病の6割は腰痛といわれ、作業者の負担を軽減する補助装置の開発がここ数年、盛んになっている。深刻な人手不足が続く建設業界も導入拡大が期待される産業の一つ。1人当たりの生産性を高める活動の広がりもあり、補助装置導入への期待は大きい。
 早稲田大学理工学術院の田中英一郎教授の研究グループは10日、ワークウエアの企画・製造販売を手掛ける旭蝶繊維(広島県府中市、児玉賢士社長)と共同で、持ち上げ動作時にゴムベルトや布の変形収縮により、腕と腰を補助する「イージーアップ」を開発したと発表した。上半身には袖、下半身には背中から足裏までベルトがあり、1分で着用できる。
 日野自動車羽村工場(東京都羽村市)の製造ラインで使用実験を行い、補助効果や使い勝手の向上を図る。物流や建設現場、工場、農作業、介護など幅広い利用を想定している。
 東京理科大学発のベンチャー企業・イノフィス(東京都新宿区、古川尚史社長)は、重量物を持ち上げる際に腕と腰の動きを補助する装着型ロボット「マッスルアッパー」を16日に発売した。空気圧で動く人工筋肉で肩と腰の負担を軽減する。重量は8・1キロで、高さ920ミリ、幅830ミリ、奥行き310ミリ。価格は198万円。重量物の運搬を伴う物流業や製造会社をメインに営業展開する。
 半導体・関連製品の販売などを手掛けるPALTEKは7月、作業支援ロボットスーツ「マッスルスーツ」を発売。電気やモーターの代わりに空気圧式の人工筋肉を採用し、肩や腰、太ももをサポートする。主に介護施設や建設現場に展開する。ロボットスーツは介護現場からの要望を受け、イノフィスが開発した。重量約5キロと軽く着脱が容易。価格は装着時に強い安定感が得られるタイトフィット型は70万円、スムーズに歩行できるソフトフィット型が80万円という。
 モーターや空気圧などのアクチュエーターを使用した装置は補助効果が高くても高価で、重量があるため長時間装着するのは難しい。作業服を着るのと同じような感覚で利用できる補助装置の開発が進めば、建設現場での普及が期待できる。製品を開発・供給するメーカーと作業員を抱える建設会社の考えをマッチさせることができれば、より多くの需要が見込めるはずだ。

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