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建設コンサル大手/メンタルヘルス対策に本腰/快適職場へ医療・相談体制拡充  [2018年10月26日3面]

社内に設置された健康管理室(日本工営)

ラインケア・セルフケアをテーマにした講習会(オリエンタルコンサルタンツ)

 大手建設コンサルタント各社が社員の心の健康を守るメンタルヘルス対策に本腰を入れていることが、日刊建設工業新聞社の「働き方改革に関するアンケート」で明らかになった。各社は長時間労働の解消とワーク・ライフ・バランス(WLB=仕事と家庭の調和)と併せて快適職場づくりを重視。専門家による医療・相談体制の充実、ストレスチェックや研修による未然防止策の強化に取り組んでいる。
 調査は全国規模で事業展開する18社を対象とし9月18~28日に実施。健康確保措置をはじめ、時間外労働の上限目標や多様な働き方の支援措置などについて17社から回答を得た。メンタルヘルス対策では17社すべてが健康確保措置を講じ、大半が「産業医・産業保健機能を強化している」と回答した。
 医療・相談体制の強化で日本工営は9月、社内にある「健康管理室」の医療・相談体制を一新した。高度な医療が提供できるよう、従来の保健師に加え産業医と臨床心理士を配置した。オリエンタルコンサルタンツは保健師3人を雇用し、随時相談に対応可能な体制を整えた。社員向け「健康ガイドライン」も制定した。アジア航測は産業医(心療内科)の病院に勤務するカウンセラーと契約し、月2回程度招へい。社内にメンタルヘルス窓口を設置している。
 産業医などとの面談や研修・セミナーを充実させる企業も多い。八千代エンジニヤリングは長時間労働者(管理監督者を含む)に対する産業医面談の義務化、EAP(社員支援プログラム)導入によるメンタルヘルス対策に加え、加入健康保険組合と連携した健康指導やセミナーを実施している。オリコンサルもメンタルヘルス(セルフケア・ラインケア)の講習会を開いている。
 建設技術研究所は2013年から管理職・班長クラスを対象に、職場のメンタルヘルス研修を毎年行っている。エイト日本技術開発は産業医による面接指導と外部機関に相談窓口も設けた。
 大日本コンサルタントは産業医と産業カウンセラーによる情報収集・相談窓口体制を整備。日水コンは産業医への情報提供や社員への健康相談を強化した。オオバは産業医に毎月の衛生委員会に参加してもらい、休職者や長時間労働者の情報を共有。ニュージェックや応用地質もメンタルヘルスの相談体制を強化した。
 残業時間に応じたきめ細かな対応を見せる企業も目立つ。パシフィックコンサルタンツは時間外労働が月間80時間を超過した場合、当該社員を医師らとの面接指導の対象にしている。保健師から本人に直接連絡を取り面談している。長大は産業医から意見のあった社員に通知するとともに、全社員の健康診断結果を産業医が確認し、懸念がある社員と面談を可能にした。残業時間が100時間を超える社員は産業医との面談を必須にした。
 いであは産業医からの定期的な社内教育・研修に加え、時間外・休日労働の累計が月70時間以上の長時間労働者や、希望者を対象に産業医の月1回の面接指導を実施。パスコは長時間労働者を抽出して産業医面談の受診勧奨を行うとともに、体調・メンタル不調を訴える人の相談も可能とした。
 社員のストレスチェックなどによる未然防止策を見ると、国際航業は高ストレス者に対する産業医面談の案内、相談窓口設置などの情報提供などを実施している。中央復建コンサルタンツは毎月の産業医面談に加え、裁量労働制対象者の四半期チェックリストによる状況管理、毎年のストレスチェックによる全社員の状態管理を徹底。いであはストレスチェックの集団分析結果の説明会を開いている。エイト日技も半年ごとに、厚生労働省推奨長時間労働の疲労蓄積度調査を全社員に行っている。

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