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大林組ら/展示ケース内の空気質汚染対策技術開発/有害ガスを大幅抑制  [2018年10月31日3面]

従来工法とピクチャープロテクトの内装材の構成

 大林組は30日、グループ会社で木造作工事を手掛ける内外テクノス(東京都新宿区、井田貴仁社長)と共同で、美術館や博物館などに設置される展示ケース内の状態を良好に保つ技術を開発したと発表した。展示ケースの壁面に使用する内装材に新たな層を設け、その表面に新開発の特殊接着剤でクロスを張り付ける。内装材などから発生し展示品を劣化させる有害ガスが大幅に抑制できる。
 開発した「ピクチャープロテクト」は、展示ケースの下地板となる合板の表にガスバリア層とガス吸着シート層を設け、ガス吸着シート層の上にクロスを張り付ける。ガスバリア層が合板から発生する有機酸など有害ガスを遮断する。同時にガス吸着シートがビス穴やクロスから発生する有害ガスを吸着する。
 特殊接着剤は有機酸などが発生せず、透湿性もある。吸着シートの呼吸を妨げないため、有害ガスの抑制効果を最大限に発揮する。実験の結果、従来工法で施工した展示ケース内は日ごとに有害ガスが蓄積して濃度が高まった。これに対しピクチャープロテクトで施工した展示ケース内は有害ガスの濃度に変化がなく、有害ガスが大幅に抑制できた。
 ガス吸着シートには吸着材のほか、天然粘土系調湿材料がすき込まれている。周囲が高湿度の時は吸湿、乾燥状態の時は放湿し、展示ケース内の湿度を一定に保てる。
 合板にガスバリア層とガス吸着シートが接着された状態で工場から出荷されるため、現地で作業工程を増やすことなく施工できる。施工後もアンモニアや有機酸をほとんど発生しないため、施工後間を空けずに次の工程に進める。
 ピクチャープロテクトは、内外テクノスが19年1月ころから販売を始める予定。大林組は美術館や博物館の新築工事や改修工事で積極的に採用を提案していく。
 展示物に悪影響を及ぼす有機酸は合板、表面のクロス、それらを接着するでん粉系接着剤から発生する。合板は一定期間放置して化学物質を放出させたもの、クロスには有害ガスの発生量が少ないものを採用。施工後にも一定期間を設ける必要があるため、短工期でできる有害ガスの抑制対策が求められていた。

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