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大林組/覆工裏込め注入工の新材料開発/低アルカリ・高粘性化で水環境への影響低減  [2018年11月2日3面]

流水で実施した新材料の分離抵抗性実験の様子

 大林組は1日、可塑性注入材をトンネル覆工の背面空洞に充てんし、確実に修復する「スペースパック工法」向けに新しい材料を開発したと発表した。従来型に比べ、セメント量を大幅に減らすとともに、配合を変えた高粘性の特殊増粘材を使用することで、低アルカリ化と高粘性化を実現。湧水(ゆうすい)のあるトンネル補修工事で、周辺の水環境に影響を与えずに同工法が導入できるようになる。
 同工法で従来使用していた注入材は、安定して調達が可能なセメント系結合材と特殊増粘材の粉体系材料2種類を混ぜ合わせて製造する。静水中や緩やかな流水中で材料が分離することはないが、流速が大きくなると材料が溶出し、水中のpH(水素イオン濃度指数)が上昇すると同時に、濁りが発生する点が課題となっていた。
 新開発の材料は、流水中でも溶出せず、水質汚濁防止法で定められた排水基準を満たすため、坑内排水を農業用水などに利用する場所でも施工できる。
 湧水区間での施工に使用されている非セメント系注入材と比較して半分以下の材料費で配合可能。セメント量を減らした代わりに、産業副産物などの混和材を加え、製造過程での二酸化炭素(CO2)の発生が抑制できる。
 今回の開発により、トンネル背面からの湧水の有無にかかわらず、同工法の適用を可能にした。同社が参画し、建設資材販売のテクノ・ブリッド(東京都渋谷区、青木茂社長)が事務局を務めるスペースパック工法研究会を通じ、湧水のある鉄道トンネルに適用し施工を進めているという。トンネル以外の河川や港湾構造物などにも応用していく方針だ。

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