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日建連/建築工事での既存杭利用促進/15年ぶり手引改定、事例・検討フロー紹介  [2018年11月8日1面]

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、建築工事の「既存杭利用の手引き」を改定した。既存杭の利用は環境負荷の低減やコスト・工期削減の効果が大きい。利用技術の動向や最新事例を踏まえ、2003年版の手引の内容を15年ぶりに改めた。場所打ちコンクリート杭に加えて、対象を既製コンクリート杭、鋼管杭に広げ、再利用に当たっての検討フローや経済効果の試算例なども示した。
 改定作業は、既存杭の利用を積極的に推進する姿勢で地盤基礎専門部会のワーキンググループが行ってきた。改定したのは、▽事例・技術▽対象杭種▽検討フロー▽再利用するための杭の計画・記録の保存-など。経済効果の試算例も追加した。事例のうち、建物ベースは40件あり、新築・既存それぞれの建物の概要や杭の情報を一覧表にまとめた。うち8件は、耐力試験の内容や施主の要求などが紹介してある。
 検討フローでは、既存杭の利用に当たって予想される課題などを説明した上で、検討手順、書類・解体前調査、既存杭の予備調査、既存杭を利用した設計、本調査のポイントを列挙。杭長や健全性の代表的な試験・調査方法などを示し、調査期間を確保することの重要性を強調した。経済効果では、既存杭の利用によって杭工事のコストを約70%低減、工期を約70日短縮した事例があることや、コストに占める既存杭の処理、調査の費用のイメージ図を記載した。
 杭工法は、耐震性が劣る既存杭の水平力調整など再利用に役立つ技術の開発・適用が進んでいる。杭製品は材料生成時の二酸化炭素排出量が大きく、再利用は環境負荷の低減に役立つ。市街地の再開発では施工精度や耐震性を懸念し、十分な調査を行わないまま既存杭の利用を検討しないケースがあり、手引は再利用に関する設計・施工関係者の意識改革を求めている。「新たに杭を打つ場所がなくなる」と将来の懸念も示し、杭工事の内容を適切に記録・保管し、再利用を促すことも求めた。
 改定した手引は7日に東京都内で開かれた東京都建築構造行政連絡会幹事会で行政担当者に説明した。日建連のホームページに掲載している。

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