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国交省有識者会議/大規模豪雨対策で答申骨子/土地利用・建築物構造に規制導入  [2018年11月9日1面]

18年7月豪雨で被災した岡山県倉敷市の真備町地区

 国土交通省の有識者会議は8日、全国で速やかに取り組む大規模豪雨対策の答申骨子をまとめた。西日本を中心に広範囲にわたって被害が拡大した2018年7月豪雨を教訓とし、水害リスクに応じた土地利用や建築物構造の規制導入を提案。河川や砂防、下水道、海岸などの施設整備計画立案や設計で、新たに気候変動の影響を反映させる対策の在り方も求めた。=2面に答申骨子の概要
 答申骨子は、社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)河川分科会に設置した「大規模広域豪雨を踏まえた水災害対策検討小委員会」(委員長・小池俊雄土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長)がまとめた。最終的な答申は年内に策定する。
 骨子では18年7月豪雨を教訓に、「速やかに実施すべき対策」としてハードやソフトの施策を列挙した。同省によると、現時点で具体的な施策の着手時期や達成目標時期などは想定していないという。
 18年7月豪雨で岡山、広島両県にある市街地で大規模浸水や、土砂が大量流入する被害が相次いだのを踏まえ、水害リスクが高い地域の住居立地を規制する施策を盛り込んだ。地方自治体が水害リスクの高さに応じた土地利用や建築物構造の規制を導入しやすくなるよう、水害リスクが高い場所の明示を求めた。
 水害リスクを「見える化」したハザードマップの対象に土砂災害を加えたり、職住機能を集約するコンパクトシティーづくりに水害リスクを反映させたりする必要性も指摘した。
 気候変動の影響で懸念される18年7月豪雨と同等規模以上の新たな豪雨災害も考慮。現在はこれまで発生した豪雨や高潮などに基づき策定していた河川や砂防、下水道、海岸などの施設整備計画や設計について、気候変動の影響を反映させるための検討も求めた。
 国交省は、年内にまとめる答申を踏まえ具体策の検討に着手。優先度や重要度が高いハード対策は18年度第2次補正予算案、19年度予算案に反映し早期実現を目指す。
 答申骨子の概要は次の通り。 
 【速やかに実施すべき主なハード対策】
 〈減災目的のハード対策〉
 ▽決壊までの時間を少しでも引き延ばす堤防構造の工夫
 ▽砂防堰堤整備で重要避難路・避難場所の安全対策強化
 〈逃げ遅れた場合の応急的退避場所確保〉
 ▽工事発生残土活用し応急的退避場所となる高台確保
 〈複合的災害リスクが高い地域保全〉
 ▽本川・支川合流部付近の堤防強化対策
 ▽土砂・洪水氾濫に対応する遊砂地整備
 ▽河川流下能力を確保する樹木伐採や河道掘削
 〈現行施設能力を上回る水災害対策〉
 ▽堤体かさ上げや放流設備増強によるダム洪水調節機能向上
 ▽下流河道改修などによるダム洪水調節機能確保
 ▽石積み砂防堰堤の補強対策
 〈社会経済被害の最小化を図る対策〉
 ▽土砂災害対策などによる上下水道や電力、交通網の保全
 ▽首都圏と近畿圏の海抜ゼロメートル地帯で高規格堤防整備
 〈被災地の早期復旧支援〉 ▽排水設備の耐水対策、復旧資材確保
 ▽電源二重化など庁舎の防災機能強化
 〈気候変動への適応〉
 ▽河川や砂防、下水道、海岸の計画や施設設計に気候変動の影響を反映させる技術的検討
 〈広域的・長期的な大規模豪雨への対策〉
 ▽UAV(無人航空機)やレーザー計測で災害時・災害後の現場状況把握。

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