建設キャリアアップシステムへの道・1/19年度に本運用スタート

2018年10月4日 トップニュース

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 ◇全体スケジュールを見直し

 建設業振興基金(振興基金、佐々木基理事長)を運営主体とする「建設キャリアアップシステム」の本運用が19年度に始まる。8月10日に開かれた建設キャリアアップシステム運営協議会(会長・野村正史国土交通省土地・建設産業局長)の第4回総会で、現場運用のスケジュールが見直された。当初想定よりもシステムの設計・開発に時間がかかったのが理由という。
 同システムは技能者の資格や社会保険加入状況、現場の就業履歴などを、業界横断的に登録・蓄積する仕組み。技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、将来にわたって担い手を確保することを目的としている。
 協議会総会で見直されたのは、現場・契約情報登録や施工体制登録、就業履歴蓄積など、現場での運用開始に必要な手続きのスケジュール。19年1月にシステムを利用できる現場に限った「限定運用」を始め、本運用に備えた知見を蓄積していくことも決めた。
 同システムは当初、今年秋の運用開始を想定し準備していた。スケジュールを見直すことで、運用開始後の現場での混乱を防ぎ、安心して利用できる環境を整える。運用開始を見越して既に技能者登録、事業者登録を申請した企業も多い。技能者一人一人が持つIDカードの発行が遅れている現状などについて、振興基金は「多大な迷惑をお掛けし、深くおわびします」としている。
 振興基金は、同システム専用のホームページ(HP、http://www.kensetsu-kikin.or.jp/ccus/)を開設。概要や利用方法、Q&Aなどを掲載している。HPを見れば、同システムの狙いや導入効果、申請手続きなどが分かるようになっている。
 インターネットによる技能者情報と事業者情報の登録はHPから行える。郵送や窓口を通じた申請の手続きを含めて、ガイダンス動画で分かりやすく説明している。各種資料もHPからダウンロードできる。「新規登録申請書お取り寄せフォーム」からは申請書だけでなく、申請の手引や概要説明資料などをセットにした「技能者情報新規登録申請書一式」「事業者情報新規登録申請書一式」も入手可能だ。
 HPには、窓口申請する場合の「受付窓口連絡先リスト」として、振興基金に設けた総合受付や各都道府県建設業協会、全建総連傘下窓口など38カ所(1日現在)の連絡先を掲載。振興基金では各窓口に訪れる際、事前に電話確認するよう呼び掛けている。
 Q&Aは、同システムに対する主な質問を項目ごとに掲載している。定期的に情報を更新しながら、同システムを巡る疑問・質問に答えていく。
 来年度からの本運用が決まった建設キャリアアップシステムに関する情報を随時掲載します。