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国交省有識者会議/ダムの洪水調節機能向上で提言案/土砂流入抑制・堆砂除去など  [2018年11月28日1面]

 国土交通省の有識者会議は27日、2018年7月豪雨を教訓にダムの洪水調節機能を高める対策の提言案をまとめた。「ただちに対応すべきこと」と「速やかに着手して対応すべきこと」という時間軸に分け、対策を整理した。ただちに対応すべき方策として、貯水池内への土砂流入を抑制する土砂対策や堆積土砂の除去などを求めた。
 提言案は、外部有識者で組織する「異常気象の頻発化に備えたダムの洪水調節機能に関する検討会」(委員長・角哲也京大防災研究所教授)がまとめた。近く最終的な提言内容を決定する。その後、国交省が防災・減災の観点から対策の優先度に応じ、実際に取り組む内容の一部を18年度第2次補正予算や19年度予算に反映させる。
 ただちに対応すべき方策の提案は、現時点の技術水準で実施できる取り組みを列挙。ダムの容量を確保するため、貯水池内に流入する土砂の量を抑える対策や堆砂除去の促進を求めた。施設能力を上回る大雨が発生してもダムが安定的に操作できるよう、放流警報設備の耐水対策や管理用電源の確保、非常用電源設備の強化も必要とした。
 速やかに着手して対応すべき方策の提案も、現時点の技術水準で実施できる取り組みを挙げた。短期間に低コストで洪水調節機能を増強する堤体かさ上げなどの「ダム再生」推進を訴えた。ダム下流の河川改修も求めた。
 中長期的な視点に立ち「研究・技術開発等を進めつつ対応すべきこと」も明示した。ダム再生の施工や維持管理の効率化、高度化につなげる新技術の開発を提案し、無人化施工や情報化施工、人工知能(AI)の活用といった方策の具体化を訴えた。治水計画に気候変動による将来の外力増大を考慮しておく重要性も指摘した。
 国交省によると、18年7月豪雨では同省が所管する計558ダムのうち、西日本を中心とする213ダムで洪水調節を実施。このうち8ダムでは洪水調節容量を使い切る見込みとなり、ダムへの流入と同程度の水を放流する異常降雨維持防災操作に移行した。

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