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大林組、中電シーティーアイ/地震後の建物安全性判定システム開発/クラウドで確認  [2018年12月4日3面]

ポケレポの概要図

 大林組は3日、中部電力グループでシステム開発などを手掛ける中電シーティーアイ(名古屋市東区、内藤雄順社長)と共同で、地震発生後の建物安全性判定システム「ポケレポ」を開発したと発表した。加速度データを無線通信でクラウドに送信し、構造上の安全性を判定して建物管理者に通知する。従来の観測システムで必要となる建物内の配線工事を削減し、低コストで導入できる。
 ポケレポは、無線加速度計とクラウドで構成する。各階に設置する加速度計とデータ処理用パソコンとの通信環境を構築するための配線工事を不要にした。初期導入費用を30階建て相当の超高層ビルで約30%低減すると同時に、作業時間も従来の2週間程度から1~2日に短縮できるという。
 地震直後に加速度データを無線通信でクラウドにアップロードする。建物各層に生じた変形量の差などから算出される値(層間変形角)と安全・注意・危険の段階ごとの基準値を比較し、構造上の安全性の判断に役立つ情報を提供する。
 建物管理者はこれらの情報をメールで受け取れるだけでなく、スマートフォンなどの端末でどこからでも取得できる。複数の建物の情報を一括で把握可能。建物ごとの過去の地震観測記録がクラウド上に蓄積されるため、長期間にわたる建物の構造安全性を定量的に確認できる。
 11月から東京都内にある30階建ての超高層ビルと名古屋市内の10階建て免震建物で実証実験を開始した。無線加速度計を一定期間設置し、地震データを欠損なく良好な精度で取得できるかどうかを検証する。無線通信の安定性やシステムの操作性など運用上の機能を確認し、19年度中の実用化を目指す。
 大規模な地震が発生した場合、居住者が建物にとどまれるかどうかを判断し、余震による二次災害を防止するため、建物の損傷具合を確認する。BCP(事業継続計画)の観点から観測システムを導入する建物は年々増加している。コストがネックで導入できずにいた建物管理者にポケレポの採用を提案していく。

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