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熊谷組ら4社/連続地中壁工法の掘削精度計測システム開発/センサーで地中位置確認  [2018年12月28日3面]

掘削精度計測システムの概要

 熊谷組は27日、グループ会社など3社と共同で、連続する地中壁を構築する「CSM(カッターソイルミキシング)工法」向けの掘削精度計測システムを開発したと発表した。ジャイロ(角速度計測器)と加速度計を組み合わせたセンサーを使い、掘削機を地中の掘削位置にとどめたまま、短時間で正確な位置が把握できる。数メートルごとに確認することで掘削の修正作業をなくし、作業効率が高まる。
 CSM工法は、原地盤とセメントミルクを地中で混ぜ合わせてソイルセメント壁を造成し、H形鋼などの芯材を建て込む。コンパクトな機械で施工できるため、空頭制限下や狭あいなヤードでも大深度のソイルセメント壁の造成が可能だ。13年前に開発され、これまでに21万平方メートルの実績がある。近年は特に需要が伸びているという。
 同工法の掘削精度を高めるシステムは、熊谷組グループで基礎事業などを手掛けるテクノス(愛知県豊川市、森田栄治社長)、開発製品を扱うファテック(東京都新宿区、青野孝行社長)、センサーメーカーの多摩川精機(長野県飯田市、関重夫社長)との共同開発。センサーには、3軸のジャイロと3軸の加速度計を組み合わせた多摩川精機製のジャイロ式管路計測装置を採用した。計測装置の移動中の振動や回転を抑え、高精度に移動距離を計測できるエンコーダ(位置検出器)を組み合わせた。
 センサーを上下移動させるウインチシステムを考案した。施工機の両サイドにウインチ架台を配置し、掘削機の両肩部に接続できるようにワイヤを設置する。計測時には掘削機を停止しセンサーを移動させて計測する。これにより、地中にある掘削機の2点の座標が安定して計測できる。
 センサーで取得したデータは近距離無線通信技術「ブルートゥース」で送り、オペレーターのモニターに表示される。実証実験でシステムの有効性を確認した。今後は実際の施工現場で検証を行う予定だ。
 掘削機の正確な位置はオペレーターが傾斜計やジャイロを見ながら判断するため、結果が技量に影響される。傾斜計やジャイロは計測時点での傾きや回転は確認できるが、掘削機の横ずれや水平方向の回転誤差を継続して正確に計測できない。掘削完了後に芯材を入れるまで正確な位置が把握できない従来の方法では、作業に時間が掛かる上に手戻りの影響が大きい。
 テクノスの森田社長は「品質向上と同時に、生産性が2割高められる。熟練オペレーター不足の解消にもつながるのではないか」と話している。

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