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鉄骨建協/18年度の鉄骨需要、530万トン見込む/首都圏の再開発など堅調  [2019年1月11日1面]

 鉄骨建設業協会(田中進会長)によると、18年度の鉄骨需要量は530万トン前後となり、前年度の521万トンから増加する見通しだ。東京など主要都市の再開発、大都市近郊での物流・商業施設整備などが堅調で、鉄骨需要も「足元は安定した動きが示されている」(田中会長)という。良好な事業環境が需要増の追い風になっているものの、人手不足が安定供給を阻害しかねない。働き方改革への対応もあり、業界を挙げて計画的な生産工程の遂行などに力を注ぐ構えだ。
 18年度の鉄骨需要を見ると、上期は前年同期比で微減の270万トンだったものの、市場環境に不安要素は少ない。首都圏を中心に大型の開発案件が計画されていることなどが背景にある。都市型プロジェクトは難易度の高い特殊大型鋼構造物が多く、S造が中心の物流施設や商業施設も大型化が進んでいる。
 こうした事業環境の一方、労働人口の減少に伴う人手不足や後継者問題、技術伝承への対応といった建設業界共通の課題も浮かび上がっている。需給の逼迫(ひっぱく)に伴う調達納期の長期化も「経営課題として深刻化している」(田中会長)と見ている。
 鉄骨建協は、▽鉄骨業界の地位向上▽生産性向上と働き方改革▽安全と品質-という三つの重点課題に対応した取り組みに加え、今年は計画的な生産工程の遂行、技術者・技能者不足への対応、納期対策、輸送車両の確保などの活動にも注力する。
 田中会長は「鉄骨需要にしっかり応えられるようにしたい」としており、鋼材調達から設計、加工、溶接、現場施工まで横断的な技術者集団としての取り組みを強化。業界を挙げて事業環境の変化へ対応していく方針だ。
 鉄骨の生産や供給に影響を及ぼす可能性もある働き方改革関連法が4月に施行となり、罰則付き時間外労働の上限規制への対処を迫られる。建設業は2024年4月まで5年間猶予されるが、他産業は待ったなし。会員各社も鉄骨製作という製造業の顔を持つ。
 製造部門は建設現場に比べると長時間労働などの課題は少ない。それでも「納期が重なれば供給能力に不安が出る」(協会幹部)。2交代制勤務などで繁忙期をしのぐなどの対応が考えられるが、時間外労働の規制で供給力が低下し需要に応えられない局面が出てきかねない。
 鉄骨建協は、ゼネコンが示すマスター工程表に基づいて作成した鉄骨製作工程表をゼネコン、設計、ファブリケーターの3者間で合意する活動を課題の「1丁目1番地」(瀧上晶義副会長)に位置付け、定着を目指す。

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