工事・計画

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洋上風力発電/環境アセス中は540万キロワット/事業化の環境整備も着々  [2019年1月18日4面]

 環境影響評価(環境アセス)の手続きに入っている全国の洋上風力発電事業が出力ベースで合計約540万キロワットに達していることが、国土交通省の集計で分かった。秋田県沖の複数をはじめ各地で計画される13件の事業を見ても40万キロワット以上の大型プロジェクトが4件ある。18年秋の臨時国会で海洋再生可能エネルギー整備法が成立し、一般海域での整備を促す環境が整いつつある中で、関係事業者の取り組みも活発化しているようだ。
 国交省の集計は、経済産業省の発電所環境アセスメント情報サービスの18年11月時点の情報がベース(手続き完了を一部含む)。それによると、港湾区域で港湾管理者が事業者を決定したプロジェクトや、構想段階の事業を除いても港湾区域で計約55万キロワット、一般海域では約482万キロワットの13事業が環境アセスの段階にある。発電に適したエリアの多い秋田県沖が目立ち、日本海側に集中している。
 日本風力発電協会(JWPA、加藤仁代表理事)によると、洋上を含む風力発電の環境アセス手続きは、「4~5年かかるケースが多い」という。集計した13事業も事業化まで時間がかかるものが含まれる。
 海洋再生可能エネルギー整備法は4月はじめまでに施行される予定となっている。同法では洋上風力発電事業の促進区域を指定し、公募によって選定された事業者による占有を長期間認める制度が創設される。関係者間の協議の場や地元調整の円滑化など事業化の支援措置も講じられ、導入に弾みが付くとみられる。
 事業化をにらみ、関係機関の対応も着々と進んでいる。大型の洋上風力発電が数多く稼働する欧州では、工事保険やプロジェクトファイナンスの組成要件として、事業の安全性と確実性を第三者がチェックするマリン・ワランティー・サーベイ(MWS)が一般化している。港湾空港技術センターはMWSの機能を担うための準備に力を入れてきた。このほどMWSを実施するに当たっての内規を整えた。大手保険会社からの再保険を担うとみられる複数の保険会社と覚書も交わし、「MWSの準備は整った」(洋上風力推進室)という。
 政府は、発電電力量ベースで0・6%にとどまる洋上を含む風力発電を2030年度に1・7%まで高める方針を定めている。洋上風力発電は、投資が数千億円となる事業も想定される。設備の部品が1万点以上と多く、地域の関連産業の振興・発展につながりやすい。事業を後押しする環境の整備に伴って、動向が一段と注目されそうだ。

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