論説・コラム

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回転窓/誰もが快適な生活空間に  [2019年1月31日1面]

 とある都心のビルに、ジェンダートイレが設置された。きっかけは入居企業からの要請だった▼アジアを拠点とする外資系企業で、一部フロアを一体的に借りている得意先。ビル運営会社の上層部が即座に動き、要望があった企業の入居階だけでなく、一般客が利用するフロアにもジェンダートイレを設置した▼興味深かったのは、そのスピード感だ。テナントからの要望を踏まえ、すぐに行動に移したのは確かだが、実はそのビル、3年前に建て替えられたばかり。テナントへの対応は迅速に違いないが、社会の動きへの感度という面では実は鈍かったのではないか▼今年は「ストーンウオールの反乱」から50年になる。米国・ニューヨークのレストランで同性愛者らが連行されたのをきっかけに、大規模な抗議運動に発展した事件。LGBT(性的少数者)の権利拡大に向けた象徴的な出来事とされる▼私たちが抱える差別意識の変革への歴史はまだ浅く、今は過渡期といえるかもしれない。都市や建物、インフラの整備を通じて社会と関わる立場の人間には、より一層、多様な存在に思いをはせて行動することが求められている。

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