技術・商品

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

鹿島/山岳トンネルのコンクリート吹き付け自動化へ/静岡県富士市で実大実験  [2019年2月1日3面]

自動吹き付け機での実験状況

 鹿島は、山岳トンネル工事で行うコンクリート吹き付け作業の自動化に向けて、模擬トンネルでの実物大実験に着手した。1月31日に取り組み状況を報道陣に公開。コンクリート自動吹き付け機により、一定の厚さで吹き付ける技術は確立できており、現場環境に合わせて施工品質が確保できるような完全自動化を目指していく。 =1面参照
 模擬トンネルは、日本建設機械施工協会の施工技術総合研究所(静岡県富士市)内に整備した。断面積は76平方メートル。NATMで発破掘削を採用するような硬質地山を対象として想定している。
 コンクリート自動吹き付け機は、ノズルの位置や姿勢、経路をあらかじめ設定しておくことで、アームやブームが自動的に動作して、無人で吹き付けができるようになっている。ノズル動作の制御に加えて、今後は吹き付けの厚さをスキャニングする計測技術や、地山条件に最も合った吹き付け作業を自動化するためのノウハウ蓄積などを進める。
 実際の現場では、場所ごとに地山の状況が異なり、発破後の凹凸や漏水などにも考慮しながら、吹き付け作業を行う必要がある。このため、ノズルと壁面の距離や吐出量、振り角などでさまざまなパターンを組み合わせたり、シミュレーションと実際の結果との整合を見たりしながら開発を進め、実用化につなげていく。
 このほかにも穿孔やずり出し、発破後に残った地山(アタリ)の除去、ロックボルト挿入で自動化も進める方針。模擬トンネルを用いて順次、実験に取りかかる。切羽作業を一人だけで行うワンオペレーション化の実現を、2020年度までに目指すとしている。
 三浦悟機械部自動化施工推進室長は「山岳トンネルには危険作業が多い工種がある。安全性を飛躍的に向上させたい」とした上で、「決められたものを決められた通りに実直にやる機械を作る」との方針を示す。機械主体とすることで、安全かつ経験に頼らない掘削を実現するという方向性だ。
 省人化なども図り、担い手が集まるような労働環境に改善していくことも狙いにある。青柳隆浩土木管理本部土木工務部トンネル統括部長は、「自動化により働き方改革も進めていく」と話している。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

インフラ・ビジネス最前線―ODAの戦略的活用
 途上国や新興国で日本の民間企業が行うイ...続きを読む
建設業で本当にあった59話の心温まる物語
およそ500万人が働く建設業界。それぞれ...続きを読む
作業現場が危ない?!熱中症予防・対策マニュアル
熱中症は、早期の対処で重症化を防げる疾患...続きを読む
中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む