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技研製作所/圧入機で西日本豪雨の迅速な復旧に貢献/硬質地盤でも着実に施工  [2019年2月5日3面]

鋼矢板の圧入とパイルオーガーの掘削を一体的に実施

 技研製作所が製造・販売する圧入機「サイレントパイラー」が、2018年7月豪雨の復旧工事で活躍している。鋼矢板の圧入とパイルオーガーによる掘削を一体的に行う「硬質地盤クリア工法」を取り入れており、硬質地盤であっても安定的に打ち込みができる。現在は、岡山県内の高梁川水系と吉井川水系の現場で約15台が稼働中だ。工期内での着実な施工の一助となっており、出水期前の最盛期には最大で24台程度が稼働する見通し。
 同工法では、圧入機やパイルオーガーが一体となったユニットをクレーンでつりながら、打ち込みを行っていく。鋼矢板のへこんだ部分にパイルオーガーが沿う格好で設置され、掘削と圧入を同時に行う。据え付けが完了するとパイルオーガーだけを引き抜くという流れだ。
 振動を加えて打ち込んでいく「バイブロ工法」などと比べて、振動・騒音が少なく、周辺地盤への影響も抑制することができる。ユニット本体が設置済みの鋼矢板の上を自走できるようになっており、段取り換えが少ないことも特徴という。
 1日には、全国圧入協会が主催する現場見学会と技術講習会が岡山県内で開かれ、900ミリのハット形鋼矢板に対応したサイレントパイラーの最新機種「F301」による施工状況が紹介された。
 見学会が開かれたのは、国土交通省中国地方整備局発注の「吉井川寺山地区災害復旧工事」(岡山市)の現場。堤防の基礎地盤から漏水が生じる「パイピング」現象が18年豪雨の際に発生したことから、幅が900ミリで長さが10メートルの鋼矢板を打ち込んで止水する工事だ。
 従来型工法では、想定外の硬質地盤などに当たってしまうと機械の交換などが必要となる懸念があった。このため同局は、災害復旧を円滑に進める狙いから「硬質地盤クリア工法」を採用した。
 同現場の施工は元浜組が担当。同協会会員企業である高槻組が、協力会社として鋼矢板の打ち込みを担っている。1日の打ち込み本数は平均5本で、「安定的に施工ができており工期短縮になっている」(元浜組)という。同局の清綱保志岡山河川事務所西大寺出張所長は、「工期を守り迅速に災害復旧を行うという面で、この工法にして良かった。地域の方のために、出水期までに災害復旧関連工事を完成させたい」と話している。
 技研製作所では、建設現場の生産性向上策i-Constructionを見据えたさらなる改良や、東南アジアなど海外での活用促進も図っていくとしている。

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