論説・コラム

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回転窓/大人の落書き  [2019年3月7日1面]

 子どもの頃、近所の塀などに落書きして怒られた経験がある方は多いはず。本来書くべきところでないところに絵や文字などを書いてしまうのはいけないこと。子どもの頃は物事の分別が付かず、悪意を持たずにやったことだからと、大人も叱りながら許してくれた▼意図的な落書きを世界各地でゲリラ的に描き、いま最も注目されている路上芸術家のバンクシー。最近ではバンクシー作品に似ているネズミの絵が、東京都内の防潮扉で見つかって話題に▼あちこちで多発している発見情報には模倣犯の仕業もあるだろう。真贋(しんがん)論争はさておき、描かれた場所は見物人が集まり人気スポットになっている。落書きされた施設の管理者からは容認する肯定的な意見が目立つ▼正体不明の芸術家という神秘性や社会風刺的な作風など、バンクシーへの評価は高い。落書きと芸術の境界線はどこかあいまいだ。地域活性化につながる落書きには社会も目をつぶるということか▼タブーを犯すことで作品の魅力を助長する。多様な価値観を否定するものではないが、周りに流されず冷静に物事を分別する目を忘れてはならない。

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