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キャリアアップシステム/本運用控え取り組み本格化/人材確保・処遇改善へ大きな一歩  [2019年3月12日1面]

 ◇大成建設は200現場導入を目標/鹿島は少額工事を除き適用
 建設キャリアアップシステム(CCUS)の本運用を4月に控え、建設会社の取り組みが本格化してきた。限定運用対象現場のうち、最初に適用を始めた大成建設と鹿島は、導入目標などを設定。大成建設は4月時点で、土木・建築合わせて200現場への導入を目指して準備を進めている。鹿島は、少額工事を除く現場で適用する方針で、大部分の現場が対象となる見通しだ。両社以外も導入に向けて準備しており、担い手確保への大きな一歩となりそうだ。
 CCUSは、建設技能者の就業履歴や保有資格などを業界横断的に登録・蓄積する仕組みで、将来にわたって担い手を確保することを狙いに導入される。能力や経験に応じて、技能者の処遇を改善していく方向性だ。運営主体は、建設業振興基金(振興基金、佐々木基理事長)。
 大成建設は、ある程度の規模、残工期の現場で適宜導入するとしている。事業者登録に向けて、安全大会や災害防止協議会などのあらゆる機会を通じて要請する方針を掲げている。全現場に導入する目標年次は、2023年3月。建設技能者の能力評価や専門工事業者の施工能力の見える化により、技術レベルに相応する処遇が実現し、業界内の切磋琢磨(せっさたくま)を促すとの期待感を示す。建設業の魅力を高めることで担い手を確保し、新規入職者の増加につなげていく方向性だ。
 元請にとっても、ペーパーレスが進んでいない分野での実務負担が軽減されるメリットがあると見ている。社会保険加入状況管理の効率化とともに、将来的には建設業退職金共済制度(建退共)との連携などを見通している。
 鹿島は、地道な取り組みが不可欠という認識を持ちつつ、事業者登録と技能者登録の推進に向け協力会社への働き掛けを展開している。社内の推進体制などを含めて円滑な運用状態となった時点で、全現場の導入を実現させる目標だ。現時点では、4月の運用開始から1年後程度になると見通している。
 技能レベルに応じて技能労働者が正当に評価され、処遇が改善されることが必要と見ており、同社として独自の取り組みを検討することも視野に入れている。担い手確保や処遇改善に積極的に取り組む企業が、市場などからより評価される状況を生み出す上で、CCUSは有効な手段と見ている。建設産業の魅力向上につなげるため、CCUSを活用していく。

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