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奥村組、東北大学ら/塩害リスクRC構造物の耐久性向上/加熱改質フライアッシュ適用  [2019年3月14日3面]

脱型後の現場の状況

 奥村組と日本製紙、東北大学の3者は13日、石炭火力発電施設から出る加熱改質フライアッシュを活用したコンクリートを、塩害リスクのあるRC構造物に適用したと発表した。岩手県内で施工している水門工事に、含有未燃炭素を1%以下とした加熱改質フライアッシュをコンクリート混和材として導入。耐久性向上が期待できるほか、施工性向上の効果が確認できた。今後も研究やモニタリングを進め、適用範囲の拡大につなげる。RC構造物の塩害対策への活用は東北地方で初めてという。
 対象工事は、岩手県発注の「二級河川大沢川筋大沢川水門土木工事」(山田町)。水門の翼壁部は、満潮時に海水が河川内へ流入するため、鉄筋の腐食リスクが比較的高い状況となっている。フライアッシュは、コンクリートの緻密化や流動性を高める効果があるため有効活用した。ただし、フライアッシュに含まれる未燃炭素が硬化後のコンクリート物性に影響を及ぼす懸念があることから、日本製紙が製造している未燃炭素を1%以下に除去した加熱改質フライアッシュを導入した。
 試験により、通常のフライアッシュに比べて空気量や流動性が安定することを確認。鉄筋間の通過しやすさを示す間隙(かんげき)通過時間がおおよそ半分に低減し、コンクリートの充てん性が高まることも分かった。セメントの15%を加熱改質フライアッシュに置換すると、無添加の場合に比べて、塩化物イオンの透過しやすさが低くなり耐久性向上も期待できるという。
 現場では、下流側翼壁部の最下部のコンクリートに、1立方メートル当たり40キロの加熱改質フライアッシュを投入した。設計スランプが8センチだったが、材料分離によるポンプ閉塞(へいそく)などは発生せず、安定した空気量も確保できた。
 今後は、塩分浸透抑制といった耐久性への効果や、コンクリートの内部ひずみなどを長期的にモニタリングし、配合設計に生かしていく。

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