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日建連/海上工事の合理化効果を初試算/ロボ・PCaが時短に有効、課題はコスト  [2019年3月15日1面]

 日本建設業連合会(日建連)の海洋開発委員会(武澤恭司委員長)は、海上工事や港湾構造物の維持管理にロボットやプレキャスト(PCa)技術を導入した場合の合理化効果を試算した。桟橋基礎杭の点検は延長100メートルの場合、ROV(遠隔操作型水中点検ロボット)を使うと従来の潜水士による方法に比べ、日数を3分の1、要員も4分の1に減らせることが分かった。日建連が海洋開発を想定し、合理化の試算を行うのは初めて。 =2面に関連記事
 調査は2015年5月に発足した「今後の海洋開発に関連する建設技術専門部会」が担当。▽建設機械の無人化(遠隔操作・自動制御)・ロボット化▽構造物のPCa化▽設計・施工双方のICT(情報通信技術)・CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)-の三つに取り組んだ。
 無人化・ロボット化の調査では、潜水士とROVによる方法を比較した。ROVはリアルタイムのモニタリングやデータ収集、解析や図化の連続処理が可能。潜水士と違って作業時間に制限がない。桟橋基礎杭の調査を想定した試算によると、調査延長100メートル当たり、ROVは日数を12日から4日に短縮。必要となる人員は延べ40人から10人に減らせるとした。
 港湾構造物は現場ごとに仕様が異なる。さまざまな条件の現場に対応できるロボット技術や、効率化とコストを定量的に評価する手法の確立を課題に挙げた。
 構造物のPCa化の効果も調べた。延長140メートル、幅25・6メートルの桟橋を造るために直杭96本を打設する工事を想定。PCaブロックを工場製作し現場で据え付ける方法は、コンクリートを現場で打設する方法に比べ、工程を約半分に短縮できるが、工事費は0・07%割高になると試算した。構造形式を選定する際のコスト評価方法の見直しやサイズ・規格などの統一が必要としている。
 ICTとCIMの調査では、長さ50メートル、幅25・5メートルの桟橋で直杭28本、斜杭24本という複雑な構造を想定し、3次元(3D)モデルを作成した。CADに一定程度慣れた人が一人で3D構造図を作成するのに15時間、支持地盤3D図の作成に10時間、構造図と支持地盤図の合成(杭長の調整)に3時間かかった。
 ICTやCIMの導入には、省力化やコストの低減が実感できる運用が必要と指摘。合理的に運用するためには、調査から測量、設計、施工、検査で得られた膨大なデータを一元管理するためのフォーマットの統一が求められると締めくくっている。

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