論説・コラム

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回転窓/落ち着いた再評価を  [2019年3月18日1面]

 1960年代に活発に展開され、今なお世界で知られている日本発の建築運動「メタボリズム」(新陳代謝)。この理論を担った建築家の一人、菊竹清訓(1928~2011年)が設計した宮崎県都城市の旧都城市民会館(1966年)が解体される▼トラス梁を放射状に並べた特徴的な屋根は、生物が代謝を繰り返しながら成長する仕組みを建築や都市計画に取り入れるメタボリズムの代表作。歴史的、文化的価値が高いとして建築界から保存要望が相次いでいた▼日本建築学会は民間事業者の活用を通じた保存・再生案を提案したが、手を挙げる事業者はなく、市は解体を決断した。建築界は所有者や事業者に建物の多面的な価値をきちんと伝えられていたのだろうか▼登録有形文化財制度は完成後50年を経過し一定の評価を得たものが対象。完成時の価値判断が高かったとしてそれが継続するとは限らず、位置付けが時代によって変わることもある。評価が定まるまでには長い年月が必要だ▼取り壊される歴史的建造物は後を絶たない。ジャッジを急がず、より長期的な視点で判断することが必要なのではないだろうか。

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