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国交省/低入札調査基準引き上げ/工事は75~92%、測量業務は上限82%に  [2019年3月27日1面]

 国土交通省は26日、直轄工事・業務に適用する低入札価格調査基準を2019年度に引き上げると発表した。工事は調査基準価格の設定範囲を現行の「(予定価格の)70~90%」から「75~92%」に変更。調査の簡素化や技術開発を促す仕組みも導入する。業務は測量の設定範囲を現行の「60~80%」から「60~82%」にする。設定範囲の改定は工事が10年ぶり。業務は本格運用を始めた07年以降初めてとなる。
 同日の閣議後の記者会見で石井啓一国交相は「近年の施工実態などを踏まえた上で、会計法令に基づく財務大臣との協議を経て、4月1日以降に入札公告する案件から低入札価格調査基準を引き上げる」と表明。「ダンピング対策や品質確保が一層進展することに加え、より適正な競争環境が構築され、建設関連産業の中長期的な担い手確保にも資するもの」と説明した。
 国交省は公共事業の品質確保の観点から、落札率と工事成績との関係性などを分析。その結果に基づき一般管理費等や直接工事費の算入率を改定。委託業務は本社従業員の賃金などの最新データに基づき算定基準を改定してきた。
 直近の直轄工事・業務の実態を調べたところ、工事の4割弱、測量業務の2割強で調査基準価格が上限に拘束されていることが判明。このため、工事、測量業務の調査基準の上限をそれぞれ2%引き上げることを決めた。
 工事は下限も5%引き上げる。調査基準価格が下限に近い地方自治体もあることから、国交省は下限の引き上げにより公共調達のダンピング対策や品質確保を一層促進する考え。
 調査の簡素化も図る。低入札価格調査の提出資料のうち1様式を廃止し13様式に変更。2様式で内容を見直す。施工体制確認の提出資料のうち4様式を2様式に統合し13様式で構成。1様式の内容を簡素化する。
 技術開発を促す仕組みも導入する。大規模な工事を想定し、新技術によるコスト縮減提案などを求める入札方式を活用。入札書・技術提案書の提出と併せて、コスト縮減策を提案してもらう。低入札価格調査で提案内容を確認する。
 業務では地質調査の基準価格の算定式で諸経費の算入率を現行の「0・45」から「0・48」に変更する。
 石井国交相は「今後、地方自治体などに対しても低入札価格調査基準などの見直しを適切に行っていただくよう要請していく」との考えを示した。
 低入札価格調査基準の改定に関し、建設関係団体の首脳が26日にコメントを発表した。
 □時宜を得た措置に感謝/日建連・山内隆司会長□
 日本建設業連合会(日建連)の山内隆司会長は「現場の実態を踏まえ、積み上げとなる各費目の計算式が順次見直されてきた」とこれまでの経緯を振り返った上で、10年ぶりに算定範囲が改定されたことに対し、「時宜を得た措置を打ち出していただいた国土交通省には厚く御礼申し上げる」と謝意を示した。
 □適正利潤の確保に期待/全建・近藤晴貞会長□
 全国建設業協会(全建)の近藤晴貞会長は「建設業界が長年お願いしてきた課題に対応していただいた」と謝意を表明。「公共工事のさらなる品質確保はもとより、会員企業の適正利潤の確保に寄与すると大いに期待する。国の取り扱い・考え方が一日も早く公共団体などに広く浸透するのを願う」との意向を示した。

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