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国交省/改正民法踏まえ請負契約約款見直し/中建審WGが初会合  [2019年4月17日1面]

 国土交通省は2020年4月施行の改正民法を見据え、建設工事標準請負契約約款の見直しに着手した。中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関、石原邦夫会長)に設置した約款改正ワーキンググループ(WG)の初会合を16日に東京都内で開催。民法の改正内容に対応した論点や政策的な検討事項などを提示した。今後1~2カ月に1回のペースで会合を開き、11月をめどに改正案を取りまとめる。
 「瑕疵(かし)」の用語が削除され、「契約不適合」という概念を用いる。請負契約で不適合がある場合は、売買契約の担保責任規定が準用される。担保責任期間に関する建物などの例外的扱いを廃止。建築請負で注文者の契約解除権を制限する規定も削除される。債務の消滅時効は、権利行使できる時から10年の時効期間は維持しつつ、権利行使できることを知った時から5年という時効期間も追加される。
 今回の改正は請負人の担保責任に関する規定が多いことから、国交省は建設工事標準請負契約約款を作成・勧告できる中建審に「建設工事標準請負契約約款改正WG」を設置。委員は学識者に加え、発注者と受注者の代表者の合わせて10人。座長には弁護士の大森文彦東洋大学法学部教授が就いた。オブザーバーで法務省が参画する。
 約款改正WGでは改正民法の内容を踏まえた約款の見直しとともに、建設産業の請負契約の現状に伴う約款改正事項について検討する。初会合で国交省は、民法の改正内容への対応として、▽契約不適合責任▽契約解除▽譲渡制限特約-の三つの観点から検討事項を提示した。
 担保責任期間に関する建物などの例外的扱いが廃止されることを踏まえ、約款上の担保責任期間の在り方について、短縮が可能かどうかを含め検討。請負契約にも代金減額請求が可能となることから、約款上にどう位置付けるか検討する。
 建物・土地に関する契約解除の制限規定が削除されることに伴い、約款上の規定を整備。契約解除ができない「軽微」な不履行の取り扱い範囲も論点となる。
 債権譲渡による資金調達の円滑化という民法改正の趣旨を踏まえ、約款の譲渡制限特約の在り方を検討。改正民法では特約条項があっても債権を譲渡できることから、工事代金債権のうち前払金と中間前払金をどう取り扱うかも論点。特約条項違反を理由とする契約解除の取り扱いについても議論する。
 このほか履行保証に関する検討や改元に伴う修正といった政策的・技術的な事項を検討。国会に提出されている建設業法改正案が成立した後に、改正法への対応についても議論していく。
 6月下旬に開く2回目の会合から検討事項の各論の議論に入り、以後1~2カ月に1回程度開催。11月をめどに改正案を取りまとめ、12月に開催予定の中建審に報告。改正民法の施行までの約3カ月間を新約款の周知に充てる。
 中央建設業審議会建設工事標準請負契約約款改正ワーキンググループの委員は次の通り。
 ▽石川博康東京大学社会科学研究所教授▽泉俊道日本建設業連合会総合企画委員会法務部会長▽伊藤淳全国建設業協会専務理事▽大木勇雄日本建設躯体工事業団体連合会会長▽大森文彦東洋大学法学部教授・弁護士(座長)▽小野徹全国中小建設業協会副会長▽高原功都市再生機構技術・コスト管理部長▽仲田裕一不動産協会企画委員長▽新田見慎一東京都財務局契約調整担当部長▽吉見秀夫東日本高速道路会社総務・経理本部経理財務部長▽笹井朋昭法務省民事局参事官(オブザーバー)。

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