論説・コラム

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回転窓/友愛数  [2019年4月17日1面]

 友愛数。二つの自然数の組で自分自身を除いた約数の和が互いに他方と等しくなる数の意だ。そう言われても、ピンとはこないかもしれない▼具体的に数字を挙げると、220と284。220の約数の和は1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284。284の約数の和は1+2+4+71+142=220。これが友愛数だ▼この数学用語を知ったのは小川洋子さんの小説『博士が愛した数式』(新潮社刊)。映画やドラマにもなったので、ご存じの方も多かろう。この小説には虚数や素数、完全数、オイラーの公式など数多くの数学用語が出てくる。数学が苦手だっただけに初めて聞く数学用語が新鮮で、なんとか覚えようと何度も小説を読み直したのを思い出す▼数学を学んだ人に求人が殺到しているという。ビッグデータやAI(人工知能)時代を迎え、数学の知識が必要とされるケースが増えているためだ▼小説では数学博士が交流する子どもにルート(平方根)というあだ名を付ける。頭の形が平らで「√」に似ているからだ。いまさら数学の勉強は無理だなと思いつつ、薄くなった頭をそっとなでてみた。

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