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建災防/現場のメンタルヘルス対策で調査報告/高ストレス・不眠はヒヤリハットに直結  [2019年4月18日2面]

 心身の健康に不調がある人は建設現場でヒヤリハット体験をするリスクが高い-。建設業労働災害防止協会(建災防、錢高一善会長)が2018年度に実施した不安全行動・ヒヤリハット体験に関する実態調査の結果によると、労働災害につながる恐れのあるヒヤリハットを回答者の6割が体験していた。ストレスのある人や不眠の人はそうでない人に比べ、自らに原因のあるヒヤリハット体験のリスクが約1・2~2・0倍高いことも分かった。
 調査は、建設労務安全研究会の会員企業が元請受注した全国の建設現場に従事する作業員など1万8683人を対象に昨年4月に実施した(有効回答率99・7%)。回答者は男性が98・8%、年齢は40~49歳が28・3%、業務経験10年以上が62・4%と多い。
 「不安全な行動を取ったことがある」と回答した割合は55・2%。最も多かったのは「危険な場所などへ接近した」(23・7%)で、「その他、不安全な行為(飛び降り、不必要に走るなど)をした」(19・6%)、「保護具の不使用や不安全な服飾等で作業した」(17・6%)と続く。
 ヒヤリハット体験の有無は「あった」と回答した人の割合が58・2%。内容を尋ねたところ「転倒しそうになった」(43・8%)と「墜落しそうになった」(11・2%)が上位を占め合わせると過半を占める。業務経験年数別に見ると、不安全行動やヒヤリハット体験は「10年以上」の人が最も多かった。
 ヒヤリハット体験の原因では、「うっかり、ぼんやりしていた自分に原因があった」と回答した人が59・9%と最多。「機械や施設などの物または他人に原因があった」は16・1%、「地震や台風などその他に原因があった」が3・7%となっている。
 ヒヤリハット体験をした人に睡眠状況を質問すると、「問題があった」と回答した人は全体の55・3%。「夜中に目が覚めることがあるが、再び寝付けた」「夜中に目が覚め、寝床を離れることが多かった」といった夜中に何度も目が覚めてしまう症状「中途覚醒」を訴えている人が26・7%を占めている。
 疲労感の頻度は、「ときどき」が59・4%、「多くある」が7・4%、「ほとんどいつも」が1・5%となり、全体の68・3%が疲労感を感じていた。不安感や抑うつ感についても「多くある」「ほとんどいつも」と回答した人を合わせると6割弱となった。
 ヒヤリハット体験の原因が「自分にある」と回答した人で、「睡眠に問題があった」と回答した人の割合は61・9%。疲労感や不安感、抑うつ感を抱えている人の割合は平均で約20ポイント高い。建災防は心身の健康状態と労働災害の発生には密接な関係があるとし、現場のメンタルヘルス対策が不可欠だと指摘している。

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