論説・コラム

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回転窓/姿を取り戻した秀作  [2019年5月13日1面]

 坂倉準三(1901~69年)が設計した「神奈川県立近代美術館鎌倉館」(鎌倉市、51年竣工)の保存改修工事が終わり、鶴岡八幡宮が運営する「鎌倉文華館鶴岡ミュージアム」に生まれ変わる。6月8日の開館に先立ち連休最終日までの約2週間半、「新しい時代のはじまり」と題して建築が公開された▼アプローチが従来の西側県道から東側参道に変更されたことに伴い正面入り口も東西が逆転。これまで多くの来館者を迎えた大階段が裏になってしまったのは少し寂しい▼平家池に面したピロティでは池に反射した日光の揺らぎが天井に映り、約10メートル四方の中庭には時々刻々と移りゆく太陽の光と影。こうした空間体験は記憶に残るそれと同じだ▼戦後日本のモダニズム建築を代表するこの美術館も数年前までは保存問題に揺れていた。建築的価値の高い文化遺産を後世に継承するよう建築関係団体や県民有志らが保存を強く要望。県と協議を重ねた八幡宮は建物を譲り受け、新たな文化の発信拠点に再生した▼最新の技術で耐震補強や機能を向上させつつ、かつての姿を取り戻した坂倉建築の秀作。開館を楽しみに待ちたい。

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