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関東1都6県/低入札調査基準改定、千葉と埼玉が措置済み/国と同水準、3県が検討中  [2019年5月15日5面]

 ダンピング対策や施工品質の確保策として、国土交通省が4月から直轄工事の低入札価格調査基準を引き上げたのを受け、自治体発注工事でも改定の動きが広がっている。関東1都6県のうち、千葉県は4月、埼玉県も5月以降に入札公告を行う案件から、国に準じて「予定価格の75~92%」を調査基準価格の設定範囲に定めた。茨城、群馬、神奈川の3県も時期は未定ながら同様の方向で検討中という。
 国交省が調査基準価格の範囲を改定したのは10年ぶり。70~90%の変更を財務、国交両省で協議し、75~92%に改めた。関係省庁などが参加する中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)のモデルも同様の形で見直されたことを踏まえ、4月1日付で国交、総務両省がダンピング対策の徹底を自治体に要請した。
 国の要請を受ける形で関東1都6県のうち、4月から改定した千葉県、5月から改定した埼玉県のほか、茨城、群馬、神奈川の3県が国に準じた改定を検討中。入札契約部局で運用するシステム改良を伴うこともあり、そのタイミングなどを見計らって適用時期が定まってくると見られる。
 一方、今回改定しなかった栃木県は予定価格の87~92%と、国の基準価格の範囲を既に上回る形で運用してきた。東京都も2018年6月に本格実施した入札契約制度改革で、従前の70~90%の上限値を92%に引き上げ済みだ。
 調査・設計業務の調査基準価格について国交省は、測量業務の範囲を60~82%(従前は60~80%)に改定し、地質調査では設定範囲を変えずに調査基準価格の算定式の諸経費算入率を従前の45%から48%に引き上げている。
 千葉県は国に準じた改定を措置済み。埼玉県は地質調査の算定式の諸経費算入率を国に合わせて見直した。茨城、群馬の両県も同様の改定に向けた検討を進めている。
 東京都では、業務に低入札価格調査制度や最低制限価格制度を適用しておらず、「導入は今後の検討課題」(財務局)としている。神奈川県も政府調達協定対象以外の工事や業務に低入札価格調査制度を導入しておらず、最低制限価格の算定は独自基準を採用しており、今回の見直し対象にはしていない。
 国と同等、もしくは上回る形での調査基準の範囲設定は、改正公共工事品質確保促進法(16年6月施行)でうたった中長期的な担い手確保・育成にもつながると期待されている。
 《関東1都6県の低入札価格調査基準の対応状況》
【茨城県】=工事、業務とも国の基準に合わせて改定検討
【栃木県】=工事は既に87~92%で設定
【群馬県】=工事、業務とも国の基準に合わせて改定検討
【埼玉県】=工事は5月1日公告分から上限を92%に改定(範囲は75~92%)。業務は地質調査の算定式のうち、5月1日公告分から諸経費を45%から48%に改定
【千葉県】=4月1日公告分から工事、業務とも国の基準に合わせて改定
【東京都】=工事は2018年6月に上限を90%から92%に改定(範囲は70~92%)
【神奈川県】=工事は国に合わせて改定検討。

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