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20年度予算編成の議論開始/財務省、人口減でインフラ整備の費用対効果低下  [2019年5月17日1面]

 国の2020年度予算編成を巡る社会資本整備関係の議論が本格的に始まった。財務省は16日の財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)財政制度分科会歳出改革部会に提出した資料で「将来人口の減少から、インフラの費用対効果(B/C)を算定する上での効果が減少する」と指摘。人口減少を踏まえたインフラの集約化・撤去や、将来世代の負担とニーズに見合った効率的な維持管理・更新といった方針を示した。=2面に関連記事
 財務省主計局が毎年春に財政審分科会へ提出する資料は、翌年度の社会資本整備関係予算編成に関する議論の出発点になる。政府が毎年6月ごろに閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に反映される。
 社会資本整備関係の20年度予算編成を巡ってはここ数年と同様、人口減少を理由に公共事業を「量」から「質」に転換する考え。長期的な視野に立った社会資本整備の在り方として、将来人口を重視。60年間で償還する建設国債は人口が減少していく中で1人当たりの負担が増加する。一方、インフラの費用対効果の算定で「効果(受益)の減少が見込まれる」とした。委員からは「人口減少下でインフラの戦略的撤退も必要ではないか」といった意見が出た。
 予算編成では費用対効果の分析で事業評価を厳格化し、新規事業を厳選。投資効率を高めることが基本となる。ただ国土交通省の新規事業採択時評価実施要領では、費用対効果分析を含め総合的に実施するよう明記されている。人口減少下でも、インフラを利用する交流人口が増えれば効果(受益)は高まる。事業区間の費用対効果分析だけでなく、ネットワーク化されたインフラ全体での分析も大事な観点となる。
 「将来人口の減少により費用対効果が低下する」とした財務省の見解に対し、建設業界からは「貨幣換算ができない価値も含め総合的な評価が重要だ」「人口が減少しても経済活動が活発化する。そんなインフラを整備していくべきだ」などの声が上がっている。

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