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NEXCO総研/回転式舗装試験機を更新/世界初、深層損傷も再現  [2019年5月28日1面]

深層の損傷を再現できる舗装試験機

試験機の稼働ボタンを押す山内社長

 高速道路総合技術研究所(NEXCO総研)は、東京都町田市の研究所敷地内にある大型回転式舗装試験機を更新した。従来の試験機の基本性能を踏襲しつつ、路面など表層部の耐久性に加え、新たに下層内部の損傷を再現できる世界初の試験機能を追加。高機能舗装の内部に滞留する雨水などの影響で損傷が深層化している現状を踏まえ、今後急増する全層補修に対応した研究開発に積極的に取り組む。
 回転式舗装試験機は大型車の走行実態や車両の大型化を考慮し、広範囲の荷重を試験路面にかけられる。
 更新工事は試験機本体を日立インダストリアルプロダクツ、型枠部分はNIPPOが担当。更新後の基本性能のうち、走路直径(外軌道10メートル、内軌道8メートル)、最大走行速度(時速100キロ)、試験温度(マイナス20度~プラス60度)は更新前と同様。最大試験荷重はダブルタイヤが約7トンで変わらず、シングルタイヤが更新前の約3トンから約5トンに増えた。新たに紫外線ランプも配備した。
 舗装深層部の損傷を再現するため、供試体の型枠に滞水装置と加熱装置を導入した。路盤層を滞水状態に保持し、水位も任意の高さに調整可能。供試体内部の温度を60度程度に加温できる。疲労ひび割れ発生装置により、型枠内の混合物などに任意のたわみを発生させることが可能だ。
 従来の試験機では再現が困難な深層損傷への効果的な対策方法の評価を短期間で実施可能。急速施工が求められる厚層打ち換えや全層補修の事前評価も行える。損傷深層化への対策技術(剥離抵抗性に優れる基層用アスファルト、疲労耐久性に優れる上層路盤用混合物、下層路盤の滞水対策と強化方法)、コンクリート舗装の急速打ち換え技術などの研究開発に取り組む。
 更新した試験機の完成式典が24日現地で行われ、NEXCO総研の山内泰次社長は「舗装の新材料はもちろん、最近問題になっている深層部分の損傷の研究にも大いに役立つ試験機により、安全第一でしっかり成果を出していきたい」とあいさつした。

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