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竹中工務店ら/建築設備の包括的制御システムを開発/ビル管理を省人化・自動化へ  [2019年6月6日3面]

実験を行っているEQ House

 竹中工務店は、人工知能(AI)などを手掛けるHEROZ(東京都港区、林隆弘代表取締役最高経営責任者〈CEO〉)と、AIを使って建物内の空間を包括的に制御するシステムを共同開発した。センサーから取得したビッグデータの分析とAIの学習機能により、空調や照明などの運転条件が自動的に最適化できるという。5日から都内で実証実験を開始した。建築設備の管理・運転の省人化や自動化につなげる。
 開発したのは「アーキフィリアエンジン」と呼ぶ空間制御システム。竹中工務店のビル管理プラットホーム「ビルコミュニケーションシステム」と、HEROZによる独自AI「HEROZ Kishin」を連携させている。
 開発したシステムは建物内のセンサーで温度や湿度、照度などのデータを取得し、クラウドサーバーにビッグデータとして蓄積する。ウエアラブル端末を使い利用者の脈拍や快適性の好みといったデータも集める。その中から、有効活用できるデータを抽出してAIに送り、快適性を総合的に判断・学習していく。試行錯誤しながら望ましい行動を学習する「強化学習」を行うことで、照明や空調、電力マネジメントといった建築設備の運転条件を、より最適な形にしていくという。利用者ごとに設定を調整することも可能となる。
 実証実験は、メルセデス・ベンツ日本(MBJ)と竹中工務店が東京・六本木に整備した近未来ライフスタイル体験施設「EQ House」で行う。S造平屋88平方メートルの規模で、約1000カ所にセンサーを設置した。1分ごとに各センサーからデータを収集する。施設内にはリビングやベッドルームなどが設けられており、空間の特性に合わせた最適化を図っていく。実証実験は2年間を予定する。
 建築物を対象にAIの大規模な強化学習を行う取り組みは珍しいという。両社は大規模建築物にも転用できると見ており、将来的な製品化を目指している。建築物の設備の管理・運転を巡っては、技術者の高齢化や担い手不足が課題となっており、こうした社会課題の解決につなげていく。

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