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構造設計家・川口衞氏死去/代表作に代々木第一体育館  [2019年6月7日1面]

川口氏

 公共、民間建築を問わず多くの作品を手掛けた構造設計家の川口衞(かわぐち・まもる)氏(川口衞構造設計事務所主宰、法政大学名誉教授)が5月29日に死去した。86歳だった。葬儀は近親者で済ませた。
 1932年福井県生まれ。55年に東京大学大学院で建築構造学を専攻。国立代々木競技場(東京都渋谷区、1964年竣工)の構造設計で知られる坪井善勝に師事し、1962年に法政大学工学部建築学科の助教授として後進を指導した。64年に独立し川口衞構造設計事務所を立ち上げた。
 建築構造と造形の在り方や新しい構造技術の開発を主眼に構造設計活動を展開。新たなアイデアと斬新な建築物を具現化した。国立代々木競技場第一体育館(同、1964年竣工)、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)の「お祭り広場大屋根」など多くの作品を手掛けた。
 これらの活動が評価され、建築業協会(現日本建設業連合会)のBCS賞や日本建築学会賞の大賞などを受賞。団体活動にも注力し建築学会の学術理事、国際シェル・空間構造学会副会長などを歴任した。
 川口氏の死去を受け、長年親交があった建築家の斎藤公男日本大学名誉教授は「構造システムからディテール、施工に至るホリスティック(全体的)なデザインの理念は日本の構造界に継承されている。国際シェル・空間構造学会での活動も私たちを勇気付けた」とコメント。川口氏の功績をたたえるとともに哀悼の意を表した。

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