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インドネシア・スラウェシ島地震/復興計画策定に日本人技術者が尽力  [2019年6月11日2面]

左から早川、足立、多田の各氏

 2018年9月に大規模な地震と津波に見舞われたインドネシア中部スラウェシ島。液状化による地盤の大規模な流動など世界的に珍しい事象も発生した。このメカニズムの解明や今後の復興計画の策定には、国際協力機構(JICA)の専門家として現地政府に派遣されている日本人技術者が尽力。東日本大震災などさまざまな災害の経験を生かし、被災国への支援を続けている。
 スラウェシ島で発生した地震はマグニチュード7・4の規模。地震・津波による死者・行方不明者は約4500人に上る。
 JICAの専門家として現地政府に派遣されている多田直人氏(国家防災庁総合防災政策アドバイザ)と、早川潤氏(公共事業・国民住宅省水資源総局統合水資源政策アドバイザ、現国土交通省水管理・国土保全局付)。国交省出身の両氏は「9月28日に地震が起き、10月2日には2人で復興計画作りを始めた。何もかも手作りという感じだった」と振り返る。
 計画策定に当たっては、災害リスクを踏まえた土地利用などをコンセプトに掲げた。東日本大震災や熊本地震での経験やノウハウを生かしながら、昨年12月に復興計画を策定。早川氏は「日本では安全度を決めてインフラを整備し、人命や財産を守るのは当たり前だが、インドネシアにはない。こうしたアイデアを当初の段階で打ち出した」と説明する。
 多田氏は復興計画の高度化や精緻化を図りながら、「津波堤防などハードでリスクを減らすという考え方がなく、なかなか伝わらない。『ビルド・バック・ベター』(より良い復興)という概念をどう具体化していくかがこれからの課題だ」と指摘する。
 今回の経験を通じて早川氏は、「計画も含めて質の高いインフラを海外に展開することが大事だ」と強調する。多田氏は被災国の政府がどう復興するかに悩んでいるとし、「復興計画作りを機敏に進め、現地の信頼を得る。さらには日本がビルド・バック・ベターを進めているから、事前に取り組んでみようという関係まで構築できるといい」と語る。
 6日の参院国土交通委員会で自民党の足立敏之参院議員は、「日本の災害対応能力は世界最高だ。国際協力の観点からその能力を迅速かつ的確に活用していただきたい」と訴えた。
 石井啓一国交相は、「相手国政府に常駐し平時から支援を行う専門家の派遣や、防災に関する課題と解決方法について意見交換する防災共同対話の実施さらには防災インフラの海外展開などを通じて、災害に強い社会の構築に向け積極的に貢献していきたい」との考えを示している。

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