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JSCA/JSCA賞作品賞に伊藤潤一郎氏/奨励賞に石田大三氏と原健一郎氏  [2019年6月14日2面]

京都外国語大学新4号館(撮影・ToLoLo studio)

阿南市庁舎(撮影・東出清彦建築写真事務所)

胎内市総合体育館

 日本建築構造技術者協会(JSCA、森高英夫会長)は第30回「JSCA賞」の受賞作品と受賞者を決めた。極めて優れた作品を実現した構造設計者に贈る作品賞は「京都外国語大学新4号館」(京都市右京区)を手掛けた伊藤潤一郎氏(Arup)に決めた。奨励賞に「阿南市庁舎」(徳島県阿南市)を設計した石田大三氏(日建設計)、「胎内市総合体育館」(新潟県胎内市)の原健一郎氏(石本建築事務所)を選んだ。
 作品賞の京都外国語大学新4号館は、キャンパス更新の一環として既存施設を建て替えるプロジェクト。建物高さ30メートル、奥行き70メートル(間口11・5メートル)と特徴ある形状をした同施設の外周部に、スリムなピン柱を配置した。災害時を想定してピン柱は360度回転可能な機構を持つクレズスピンを採用。耐震性のアップを図った。基礎地盤との間に接続金具のシアコネクターを設けて建物中央に力が加わらないようにした。
 奨励賞の阿南市庁舎は建物外周に「竹林トラス」と呼ばれる二重偏心トラス梁を使い、奥行きを持たせた。同施設を象徴する屋根には鋼板と木材を組み合わせた「ハイブリッドトラス」を採用。構造設計者としての力量が高く評価された。胎内市総合体育館は豪雪地という特性を踏まえ、屋根に剛性力の高い鉄骨トラスを使用した。正多角形のみで構成するアルキメデス平面を配置し、無機質さを軽減させるなど新たな試みが受賞理由となった。
 40歳未満が対象の新人賞は「ヴォーリズ記念アリーナ」(滋賀県近江八幡市)を設計した山田達也氏(竹中工務店)を選んだ。米国出身の建築家であるウィリアム・メレル・ヴォーリズが得意とした洋風建築(ヴォーリズ様式)の考えを設計に取り入れた。はしごを横倒しにしたような形状の「フィーレンディールトラス架構」でシンボリックな建築を実現した。
 JSCA賞は技術の発展と建築の質的向上を狙い、建築構造の設計・監理で優れた成果を上げた建築構造技術者を表彰する制度。今回は作品部門に25件、業績部門は1件の応募があった。同協会の審査委員会(委員長・金箱温春金箱構造設計事務所代表取締役)が審査した。金箱委員長は「躯体に木造を採用している点以外に、低層で建物構造のインパクトが強い作品が多く寄せられた」と講評している。

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