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建機メーカー各社/技術開発促進へ大学と連携強化/幅広い知見融合  [2019年6月26日1面]

 建設機械メーカー各社が研究開発で大学との連携を強めている。技術革新のスピードが増す中で、建機各社はオープンイノベーションの取り組みを加速。幅広い分野の知見を取り入れることで技術開発のスピードアップを図る。建設産業で進む生産性向上の取り組みで建機の高度化はキーポイントの一つになっている。IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などの先端技術をどう活用していくかは、建機メーカーにとって企業間競争を勝ち抜く上で重要な要素になっている。
 コマツは東京工業大学との協働研究拠点「コマツ革新技術共創研究所」を、4月に東工大すずかけ台キャンパス(横浜市緑区)に開設した。設置期間は5年間。両者は2015年に機械装置を滑らせながら動かす「トライボロジー技術」の共同研究を開始し成果を上げてきた。
 共同研究の深掘りや研究分野の拡大により、機械部品の高機能化と長寿命化を目指す。3月の発足式で同社の岩本祐一専務執行役員は「将来へ飛躍する通過点だ。新しい発見、驚きができるよう頑張っていきたい」と強調。東工大は産学連携プログラム「協働開発拠点」の初弾との位置付けで、「日本での試金石にもなる」(益一哉学長)と見る。
 コベルコ建機は広島大学との次世代建機の共同研究に続き、豊橋技術科学大学と4月に次世代クレーン共同研究講座を開設した。主力のクローラクレーンを対象に、自動運転化を視野に入れた制御技術やセンシング技術の研究に取り組む。期間は5年間。楢木一秀社長は「一緒にチャレンジして実のあるものを作って世の中のためになりたい」と表明。学生も参画する予定で「次世代研究者の育成もしていく」(大西隆学長)という。
 住友建機は、数年前から千葉大学と連携し研究を続けている。数見保暢社長によると、建機の動作解析など高度な技術を要する研究がメインという。成果を商品開発に生かしていく。
 日立建機は、日立が提供するIoTプラットフォーム「ルマーダ」を活用し、カメラやセンサーによる安全性の確保や自動化、AIを用いた機械のライフサイクルコスト低減を進めていく。平野耕太郎社長は、提案があれば大学との連携を検討する考えを示している。
 労働人口減少や熟練オペレーター不足が見込まれる中で、建設産業は働き方改革の推進が求められている。建機各社はオープンイノベーションで技術開発の高度化を目指していく。

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