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日本工営/微生物燃料電池型の水処理技術開発/浄化過程で未利用エネ回収  [2019年7月12日3面]

微生物燃料電池の模型〈右〉と実機

 日本工営は、下水浄化と未利用エネルギーの回収を同時に行う水処理技術を開発した。電流生産菌と呼ばれる微生物の代謝能力を利用し、汚水に含まれる有機物を分解しながら特殊な燃料電池で発電する。システムに活用する微生物燃料電池は持ち運びが可能。さまざまな形状の下水処理槽にも設置できる。下水処理で消費する電力の削減だけでなく、温室効果ガスの排出抑制にもつながる。下水道事業者を対象に導入を提案する。
 微生物燃料電池は同社と玉野総合コンサルタント、名古屋工業大学の3者で開発した。処理場の沈殿池に送られた汚水を浄化する過程で電気エネルギーを生み出す。従来は汚泥だけだった未利用エネルギーの回収が汚水でも可能になる。
 同社によると、全国2138カ所の下水処理場で生み出せるエネルギーは、電力換算で汚泥112億キロワット時、下水が214億キロワット時と試算。全国規模で微生物燃料電池を導入した場合、1時間当たりの発電量6・6億キロワットを回収し、消費電力の削減効果は6・8億キロワットに達すると見ている。
 燃料電池は高さ1メートル、直径が5センチの円筒形。持ち運びが可能なことから、さまざまな処理槽にも設置できる。国土交通省が実施する補助事業「下水道技術研究開発」(GAIAプロジェクト)の採択案件として2014年度に開発をスタート。18年度に3カ所の下水処理場で耐久性や水処理効果などを評価した。
 現在は都市部の下水処理施設を対象に導入検討を進めている段階。再生可能エネルギーの有効活用に向け、下水道管理者を中心に導入を提案していく。

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