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三菱電機/実証棟がZEB認証を設計段階で取得/中規模ビルでは国内初  [2019年8月8日3面]

ZEB関連技術実証棟は20年9月に稼働を始める

 三菱電機は7日、神奈川県鎌倉市に建設中の「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)関連技術実証棟」が、日本建築センターから建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高評価と、設計段階でのZEB認証を取得したと発表した。実験棟の延べ床面積は約6000平方メートルと中規模ビルに当たる。中規模オフィスビルが設計段階でZEB認証を取得するのは国内初という。
 実証棟はZEBに関連する技術開発を加速するため建設している。建物はS造4階建て。設計は三菱地所設計、施工は竹中工務店。プロジェクトの実施段階で建物全体の設計条件の見直しや最適化を進めたほか、導入する設備機器やシステムの高効率化、空調や照明、太陽光発電などZEB向けソリューションを導入している。2020年9月の稼働開始を予定する。
 同社によると、実証棟で使う冷暖房や給湯、照明など1次エネルギーの想定消費量に対し、設計段階の削減率は太陽光発電などによる創エネルギーを含め103%と、年間ベースのエネルギー収支がマイナスになる見込みだ。
 同日、東京都内で会見した浮穴朋興監視メディアシステム技術部長は「建築技術と設備技術を融合した省エネを実現した」とプロジェクトのポイントを説明した。実証棟内部に吹き抜け空間を配置。重力換気により空間上部にたまる熱い空気を、低層階から取り入れた冷たい空気に入れ替える構造にした。
 業務用エコキュートから排出される冷気を地中に埋めたチューブを通して各階に送風。エネルギーを循環利用する。マルチエアコンやLED照明、昇降機などの設備も省エネ性能の高いタイプを導入した。
 竣工後は人工知能(AI)を活用し、ビルの運用計画見直しを事前評価するなどエネルギー管理業務を省力化する。IoT(モノのインターネット)も取り入れ、オフィスにいる人の数に基づいた空調運転など、最適なビル運用を推進する。
 浮穴部長は「省エネ性を保ったまま、これまで以上に健康性や快適性を高めたBCP(事業継続計画)などの付加価値を提案する」と事業戦略の一端を明かした。

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