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加藤建設/地盤改良時の六価クロム溶出をゼロ化する添加剤開発/低コストで対応可能  [2019年8月9日3面]

還元効果で六価クロムをゼロ化するエコクロムとパワーブレンダー

 加藤建設(愛知県蟹江町、加藤徹社長)は、地盤改良時に六価クロムの溶出をゼロ化する添加剤「エコクロム」を開発した。セメント系固化材などに一定量のエコクロムを添加するだけで、六価クロムの溶出量が定量下限値(1リットル当たり0・01ミリグラム)以下に抑えられる。添加剤の配合を変えればどんな土質にも対応が可能という。コストも特殊土用固化材といった六価クロム溶出量低減型の固化材に比べ安価になる。既に5件の現場に適用済み。今後、自社開発の地盤改良技術「パワーブレンダー工法」で実績を重ね、配合データなどを充実する。
 地盤改良時に使用するセメントスラリーには、セメント製造の焼成過程で原料に含まれる三価クロムが酸化してできた微量の六価クロムが存在する。施工前の室内配合試験で六価クロムの溶出量が多い場合、安価な改良材である一般軟弱土用固化材ではなく、高炉セメントB種や高価な特殊土用固化材などの六価クロム溶出量低減型固化材を使用する。
 エコクロムの主成分はチオ硫酸化合物。六価クロムをチオ硫酸化合物で還元反応させ、三価クロムに戻して無害化する。弱アルカリ性(pH6~9)で危険有害性はない。1立方メートル当たり100キログラムの改良材を添加し、エコクロムの添加量を改良材添加量の0・5%とすると、エコクロムの価格は150円となる。
 エコクロムの最適な添加量は土質などによって異なるため、現在施工実績を積み重ねながら最適な配合データを収集中。これまでのデータでは改良材の重量に対し、エコクロムを0・2~1・0%添加すれば関東ロームやシラスなど、六価クロムが溶出しやすいといわれている土質でも溶出量が定量下限値以下になると確認している。
 コストや環境配慮の視点から、既に5件の現場に適用済み。5月には国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録。地盤改良の施工場所が農作地に近いなど、周辺環境に配慮が必要な現場などから引き合いが増えているという。
 さまざまな地盤改良工法に採用が可能だが、土質によって配合方法などが異なる。当面は、自社開発の「パワーブレンダー工法」を中心にエコクロムを採用する。
 同社は、工事着手前に現場周辺の環境対策を自前で実施する「エコミーティング」活動を展開するなど環境に配慮した企業を目指している。エコクロムの開発もその一環。発がん性が指摘される六価クロムを環境基準以下に抑えるだけでなく、限りになくゼロに近い定量下限値にすることを目標に開発を進めた。

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