技術・商品

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

清水建設ら/山岳トンネル二次覆工システムを開発/PCa部材6分割で作業効率化  [2019年8月9日3面]

実験で組み立てた実物大のPCa部材。部材間は簡易な継ぎ手で接合している

 清水建設、日本建設機械施工協会施工技術総合研究所、IHI建材工業の3者は、セグメントタイプのプレキャスト(PCa)部材を使って山岳トンネルを二次覆工するシステムを開発した。PCa部材を6分割し小型化することで、運搬から搬入、架設まで一連の作業がスピードアップする。新設トンネルに導入した場合、作業人員を30%省人化し、1カ月当たりの工期を56%短縮できるという。
 PCa部材の小型化と組み立て機械の活用で高速施工を可能にする。従来のセグメントでは1リングを2~3分割するが、同工法は6分割まで細分化。1ピース当たりの重量は1・1トン。従来に比べ軽量で部材の組み立てが容易になる。小型化により、簡易な継ぎ手でピース同士の接合も可能だ。清水建設の河野重行上席エンジニアによると「山岳トンネルでシールド継ぎ手を使った多分割PCa部材による覆工は初めて」という。
 組み立て機械には、伸縮する腕でPCa部材を組み立てる「エレクター」と、作業中に既設組み立てリングの形状を保持する「形状保持装置」を使う。いずれも門型をしており、作業中も車両が通行できる。
 既存トンネルの断面を拡幅するリニューアル工事の場合、覆工完了区間は即座に開放が可能になる。そのため、覆工作業中に車両を保護するプロテクターの延長が短くでき、コスト縮減につながる。
 8日に覆工体の自立性能を検証する実証実験を行った。内空断面80平方メートルのトンネルを想定し、幅1メートル、厚さ140ミリの鉄筋コンクリート製PCa部材6ピースで1セットの覆工体を2セット構築。部材に鉄筋を入れ、高強度コンクリートを使うことで厚さを一般的な部材よりも薄肉化した。
 今後はエレクターと形状保持装置を製作し、2020年度までに実際の坑内での工事を想定した模擬トンネル内での組み立て実験を行う予定だ。施工技術総合研究所の真下英人所長は「今後はいくつかの課題を解決し、耐久性を落とさず、いい品質のものに仕上げたい」と話している。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。