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清水建設/先進物流施設(埼玉県新座市)が一部稼働へ/AI搭載の火災検知など導入  [2019年8月26日3面]

9月に稼働開始するS・LOGI新座ウェスト

内部は中央に車路が通り、左右にトラック停車スペースを設けた

 清水建設が約400億円を投じ埼玉県新座市で開発している先進物流施設「S・LOGI新座」の一部が9月1日に稼働する。物流施設の計画に当たり、開発した人工知能(AI)を搭載した早期火災検知システムと、車両管理・誘導システムを導入する。AIなどの先端技術を実装することで物流施設としての付加価値を高め、競争力強化を図る考えだ。
 同社は2019年度から5カ年の中期経営計画で、5000億円を不動産開発投資に充てる方針を打ち出している。開発投資本部の渡邉哲郎プロジェクト推進一部長は「これまではオフィス開発が不動産開発の主力だったが、今後は物流施設を第2の柱にしていく」と話す。今後は大阪や千葉県市川市、首都圏中央連絡自動車道周辺などでの開発を視野に入れる。
 S・LOGI新座は、自社開発では最大規模となる3棟総延べ約19万平方メートルの大型物流施設。稼働開始するのはマルチテナント型物流施設の「S・LOGI新座ウェスト」。AIを活用した二つの先端技術を導入することで、災害リスクの低減と施設内の作業効率向上を実現する。
 早期火災検知システムでは、段ボールなどが燃えるときに発生する化学物質を検知するガスセンサー、炎センサー、煙を検知するレーザーセンサーから得られる情報をAIが総合的に分析。火種の発生から10分程度の比較的早い段階で火災を検知できる。AIを搭載することで、学習を繰り返しながら誤検知を排除し、検知精度を高められる。
 消防法で設置が義務付けられている自動火災報知機との併用で、高い効果が見込めるという。物流施設はオフィスなどと比較して天井が高く、天井に設置される自動火災報知機が煙を検知するのに時間がかかっていた。開発したシステムでは、センサーを棚などの低い位置に設置することで、自動火災報知機よりも早く煙を検知できる。
 車両管理・誘導システムでは、AIが駐車場の監視カメラの画像を解析し、駐車場の空き状況や日々の混雑予想時間帯をポータルサイトから情報提供する。マルチテナント型の物流施設は、時間帯によって集中する車両への対応が課題。システム導入で混雑緩和が期待できる。
 S・LOGI新座ウェストはS・RC造4階建て延べ13万2036平方メートルの規模。S・LOGI新座を構成する3棟のうち、同イースト1(延べ3万8835平方メートル)は20年1月に竣工し、同イースト2(2万平方メートル)は年度内の着工を予定している。

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