BIMのその先を目指して

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

BIMのその先を目指して・107/樋口一希/GLOOBE確認申請テンプレート配布  [2019年9月5日]

プロジェクト主要メンバー

「GLOOBE確認申請テンプレート2019活用マニュアル」表紙

 連載第105回「BIMによる建築確認申請の動向まとめ」で直近の課題と可能性を探ったが、BIMによる確認申請の実務運用を、さらに先に進めるエポックとなる動きが明らかとなった。BIMソフト「GLOOBE」のベンダーである福井コンピュータアーキテクトによる今回の発表はBIMによる確認申請へのチャレンジの現状での集大成ともいえる。

 □「GLOOBE」ユーザー・ベンダー開発担当者・指定確認審査機関の密接な協働で成果□

 福井コンピュータアーキテクトでは8月21日、汐留の東京本部で「国産BIMソフト『GLOOBE』確認申請テンプレート2019と活用マニュアル発表会」を開催し、最新の「GLOOBE2019」で運用できる「GLOOBE確認申請テンプレート2019」「GLOOBE確認申請テンプレート2019活用マニュアル」を8月22日から無償配布すると発表した。
 今回のチャレンジが他の事例と比較して特筆できるのは、「GLOOBE」のユーザーと福井コンピュータアーキテクトの開発担当者が密接に協働しながらプロジェクトを進めたことだ。同時に指定確認審査機関の日本ERIが参加し全面的に協働したことも、確認申請テンプレートを実現する上で多大な貢献となった。
 ダウンロードは「J-BIM Official」サイト(https://j-bim.gloobe.jp/)より可能。画面右側の「確認申請支援ツール」をクリックする。対応バージョンは「GLOOBE2019」以降。「GLOOBE」を未導入の場合にも、GLOOBE無料体験版と併せて試用できる。試用期間は30日間となっている。

 □足掛け3年にわたり活動を継続したユーザー会「J-BIM研究会」の熱意と努力によって結実□

 BIMのような専門分野に特化したソフトウエアは、ユーザーが実務運用してこそ成長し、真価を発揮する。その意味で、今回のプロジェクトにおいて重要な役割を果たしたのがGLOOBE・J-BIM施工図CADのユーザー会「J-BIM研究会」だ。「J-BIM研究会」ではBIMによる確認申請の実務運用を目指して16年12月に「BIM申請分科会」を発足させ、当初の段階から指定確認検査機関の日本ERIの参加を仰ぎ、活動を行ってきた。
 18年8月末には「BIM申請分科会」メンバーのスターツCAMの設計による特殊建築物で「GLOOBE」による建物3次元モデルを活用した確認申請が実行され、確認済証が交付された。その後、テンプレートの実運用支援のため、活用マニュアルの整備に取りかかり、19年7月に今回提供する「GLOOBE確認申請テンプレート2019」「GLOOBE確認申請テンプレート2019活用マニュアル」が完成、公開に至った。

 □「確認申請データ作成 参考フローチャート」提供など分かりやすいマニュアルが実現□

 興味深かったのは、確認申請時にBIMを活用したいとの思いは共有していたものの、図面・凡例表記の統一に向けて轟々たる議論が行われたことだ。BIMでは2次元CADと異なり、図面は自動生成する。その際に自社の図面表記にこだわり過ぎると導入に戸惑う。それほどまでに個々の設計組織、建設会社ごとに図面表記は異なり、こだわりも強い。「BIM申請分科会」では異なる組織間の調整を粘り強く続け、特に重要な凡例の標準化を実現した。
 「GLOOBE確認申請テンプレート2019活用マニュアル」は、全200ページからなるもので、大別して準備編、確認申請データ作成編、追加資料〔企画設計・モデリング解説編〕から構成されている。冒頭には準備編、確認申請データ作成編、追加資料をどのような流れで使用するのかも概説した「確認申請データ作成 参考フローチャート」が掲載されるなど、マニュアルの構造が把握しやすい工夫がなされている。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。