論説・コラム

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

回転窓/命を守る事業  [2019年10月16日1面]

 「たられば」という言葉があるが、もし八ツ場ダム(群馬県長野原町)が完成していなかったらと、思ってしまった▼先週末、各地に豪雨災害をもたらした台風19号。関東や東北、上越などの主要河川が氾濫し床上浸水など甚大な被害が発生した。あっという間の浸水に多くの人たちが逃げ遅れ、今もなお懸命な救助活動が続く▼八ツ場ダムは「一度始めたら止められない公共事業」の代表として、建設が何度も凍結された。今年6月にコンクリート打設が終了し、今月やっと試験湛水が開始された。3~4カ月をかけて平常時の最高貯水位(標高583メートル地点)まで水をため、ダム堤体や貯水池周辺の安全性などを確認する予定だった▼それが2日間でほぼ満杯な状態に。ダムの総貯水容量は1億0750万立方メートル。それがほぼ一杯というのだから、もし八ツ場ダムがなかったら、下流域でどれだけ被害が出ていたのか想像もつかない▼政府が進める国土強靱化の3カ年緊急対策事業は来年度に終了する。毎年のように自然災害が発生する中で、この事業を終了させて良いのか。命を守る事業は、どんな時も継続しなければならない。

コメント

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。