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竹中工務店/免震建物2棟の隙間つなぐ新エキスパンションジョイント開発  [2019年10月17日3面]

 竹中工務店は16日、2棟の免震建物同士の隙間をつなぐエキスパンションジョイントを新開発し、今年3月に完成した国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)に適用したと発表した。2分割した隙間の仕上げ部材を支持する「中心フレーム」と、中心フレームを支える「直材フレーム」、中心フレームが常に2棟の中心に位置するようにする「斜材フレーム」を組み合わせ、大地震時に接続部最上階で片側の棟で最大90センチ、両側で同1・8メートルの大きな変形にも対応できるようにした。
 国循の新施設は東側の病院研究棟と西側のエントランス棟を免震構造で計画。震度7程度の地震が発生すると最大1・8メートルの変形が生じる免震建物同士の接続は過去に実績がなかった。
 従来のエキスパンションジョイントを使うと、金物重量の増加による可動性低下や、外壁と床が干渉しないクリアランス確保による室内有効面積の減少、床・壁の下地材断面の増加に伴う仕上げコスト増加などの課題に直面することが判明。そこで2棟間に大きな変位が生じても、2棟の中心に常に部材の位置を維持できる機構を適用することで、エキスパンションジョイント部の床・壁を2分割し、支持スパンを2分の1として下地材の重量を減少するとともに、室内空間の有効スペースを最大化することが可能な新工法を開発した。特許出願済み。
 新工法は1~4階の接続部に使用。通路などのエキスパンションには仕上げ部材として二つの棟から張り出した部材と、中心フレームと棟端部の間に固定せずに置く部材を使用。直材フレームと斜材フレームにスライド機構を設けることで地震時、2棟の間に大きな変位が生じても、中心フレームは常に2棟の中心を維持し、仕上げ部材も移動することで通路機能を損なわない。
 新工法は新築建物だけではなく、既存免震建物に免震建物を増築するケースにも適用可能。今後、同社では高い水準のBCP(事業継続計画)を要求される免震建物案件に水平展開していく方針だ。
 国循の新施設の規模はRC・S造地下2階地上10階建て延べ12万9881・84平方メートル。基本設計は佐藤総合計画、実施設計は竹中工務店と日本設計。竹中工務店が施工した。

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