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国交省/技術提案・交渉方式の指針改定へ/適用検討の早期化や手続きの考え方提示  [2019年10月31日1面]

 国土交通省は、最も優れた技術提案を行った参加者と価格や施工方法などを交渉して契約相手を決定する「技術提案・交渉方式」を直轄工事で運用するためのガイドラインを改定する。実施事例を踏まえ、工事特性に応じた手続きフローの考え方、設計・技術協力のより具体的な進め方などを追加。記載内容を充実させて、同方式の適用に役立てる。
 同方式は公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく多様な入札契約方式の一つ。発注者が最適な仕様を設定できなかったり、仕様を決める前提となる条件の確定が難しかったりする工事を対象に、民間事業者の技術・ノウハウを活用する。
 国交省は直轄工事を対象にした同方式の運用ガイドラインを2015年6月に策定(17年12月改定)。契約タイプを▽設計・施工一括▽技術協力・施工▽設計交渉・施工-の3類型とし、これまで直轄工事では13件に適用されている。
 28日に開いた国交省有識者会議「建設生産・管理システム部会」(部会長・小澤一雅東京大学大学院教授)で運用ガイドラインの改正項目(案)を提示した。主な改定点は、▽適用検討の早期化▽手続き・技術協力の効率化▽技術協力業務の内容充実▽施工中の歩掛かり実態調査-の4項目。
 導入検討の開始時期に関する情報を追加。計画、調査、予備設計、予算検討など事業の上流段階から導入を検討する。総合評価方式の運用ガイドラインの選択フローを改正し、技術提案・交渉方式との適用条件の相違点を記載。前提条件が確定できない工事に同方式を積極的に適用する。
 修繕や災害復旧など工事の特性を踏まえた手続きの考え方を例示。自由度を認め、前例の少ない工事ほど十分な技術協力期間を確保する。設計・技術協力業務での発注者、優先交渉権者(施工者)、設計者の役割分担を明確化する。
 技術協力業務の対象範囲について、橋梁やトンネルなどの本体工事に限らず、本体工事を円滑に進めるため必要な近接工事を含め、仮設やヤード、運搬、工程などの調整の効率化につなげる。技術協力業務は関係行政機関などとの協議支援を実施するケースが多い。こうしたマネジメント業務を積極的に行い、手戻りのない確実な施工を可能にする。
 工事費の妥当性の確認で積算基準や類似実績などがない場合、優先交渉権者の見積もりを採用し工事契約を締結。必要に応じて、施工中に歩掛かり実態調査を行い、実態に応じて精算することを追加する。
 技術提案・交渉方式の適用状況は次の通り。
 ▽近畿地方整備局=国道2号淀川大橋床版取替他工事(契約タイプ・設計交渉・施工)▽九州地方整備局=熊本57号災害復旧二重峠トンネル工事〈阿蘇工区〉(技術協力・施工)▽九州地方整備局=同〈大津工区〉(技術協力・施工タイプ)▽北陸地方整備局=国道157号犀川大橋橋梁補修工事(技術協力・施工)▽中国地方整備局=国道2号大樋橋西高架橋工事(技術協力・施工)▽中部地方整備局=国道1号清水立体八坂高架橋工事(技術協力・施工)
 ▽近畿地方整備局=名塩道路城山トンネル工事(技術協力・施工)▽近畿地方整備局=赤谷3号砂防堰堤工事(技術協力・施工)▽九州地方整備局=隈上川長野伏せ越し改築工事(設計交渉・施工)▽四国地方整備局=国道32号高知橋耐震補強外工事(技術協力・施工)▽九州地方整備局=鹿児島3号東西道路シールドトンネル〈下り線〉新設工事(技術協力・施工)▽東北地方整備局=国道45号新飯野川橋補修工事(技術協力・施工)▽関東地方整備局=国道1号矢沢高架橋耐震補強工事(技術協力・施工)。

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