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日立造船ら/海底設置フラップゲート水門の初号機が完成/岩手県へ11月中旬輸送  [2019年11月6日3面]

扉体1枚を2度起こした状態

 日立造船が大船渡漁港海岸高潮対策(細浦地区水門その2)工事向けに製作していた「海底設置型フラップゲート式水門」が完成し、5日に堺工場(堺市西区)で報道陣に公開した。同水門は東洋建設、五洋建設と共同開発。海底に設置した扉体を浮力で起立させ、連続した水門や防波堤を形成する。1号機は岩手県が発注し、日立造船が受注した同工事に使用される。今月中旬に堺工場から出荷し、海上輸送で大船渡漁港まで運ぶ。2020年6月末の据え付け完了を計画している。
 同水門は海底に倒れた状態で函体に格納されている。津波や高潮が発生した場合、扉体の先端に取り付けた係留フックを解除すると扉が自動的に起き上がる。普段は海底に設置した函体に収まっているため、船舶の航行を妨げず、景観にも影響を与えない。
 巨大津波が扉体に当たっても、本体と扉体をつなぐテンションロッドに取り付けた専用の板で衝撃が軽減できる。状態監視システムを導入し、扉体内の空気量など係留状態や扉体の揺れなどの常時把握が可能だ。扉体の空気量をコントロールすることで動作点検・状況管理が容易で、ダイバーによるメンテナンスも可能という。
 「大船渡漁港海岸高潮対策(細浦地区水門その2)工事」は、門柱間の幅(全幅)が41メートル、扉の収まり幅は32メートル。幅8メートル、高さ13メートルの扉4枚で構成し、4~5メートルの津波に対応できる。日立造船が17年10月に受注し、堺工場で設計と製作を進めていた。
 従来の水門設備は海上や河川に設けるため、扉体の純径間を伸ばしたり大型化したりするには限界があった。同社の水門は海底に設置するため、設置枚数を増やすことでより広範なエリアを津波などから守ることができる。
 日立造船らは今後、国内外で提案活動を展開する考え。既に複数の問い合わせがあるという。

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