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東北大学/応用地質寄付講座を開設/内陸地震を共同研究、仙台活断層の対策提言へ  [2019年11月8日6面]

記念撮影する今村所長(前列右から3番目)や成田社長(前列左から3番目)ら関係者=6日午後、仙台市青葉区の東北大災害科学国際研究所で

 東北大学災害科学国際研究所は応用地質による寄付講座「都市直下地震災害(応用地質)寄付研究部門」を立ち上げ、6日に仙台市内で開設式を開いた。同研究所の今村文彦所長や同社の成田賢社長が出席。近年、都市部で断層のずれによる大規模な内陸地震が頻発する中、被害を最小化するための調査研究に連携して取り組む方針を確認した。今後3年以内に対策の提言をまとめ、宮城県や仙台市に提出する予定だ。
 席上、あいさつした今村所長は「都市直下地震や内陸地震が続いている。研究部門が国内外の対策に貢献できると期待する」と話した。成田社長は「寄付講座の開設を契機に、国民の皆さまの地震災害に対する取り組みを援助できればと思う」と述べた。
 同研究所の遠田晋次教授によると、共同調査研究ではまず過去に国内外で発生した内陸地震の事例や被害状況などの情報をデータベース化して整理する。その上で地震発生のメカニズムを解析する技術を構築。都市直下の活断層による強震動と地盤変形による被害を詳細に予測し、都市に及ぼす影響を評価できる手法を開発する。その際、応用地質が培ってきた災害の調査・解析・被害予測技術を最大限活用する方針だ。
 共同調査研究では最終目標として、仙台市を横切る活断層帯「長町-利府線断層帯」を対象に、地震動と断層のずれによる被害規模を推計する。これらの結果を県や市に報告し、対策の検討に役立ててもらう。調査研究期間は2022年10月末までを予定している。
 同研究所によると、日本列島では約2000の活断層が確認されており、このうち仙台を含め県庁所在地や政令市の直下を横切る活断層が13ある。16年の熊本地震や18年の大阪北部地震と北海道胆振東部地震など、ここ数年で大規模な内陸地震が多発。首都直下地震を念頭に、近い将来には過去最大級の被害をもたらす都市部直下の内陸地震が懸念される。
 成田社長は「地震防災技術のビジネスは相当拡大すると考えられる。最近の災害では企業のBCP(事業継続計画)が遮断されるケースが出てきている。直下型地震災害(のメカニズム)はまだよく分かっていない。この調査研究でどのように被害が起きるのか、きちんとノウハウも含め蓄積したい」と述べ、共同調査研究の成果を国内外での事業に役立てる考えを示した。

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