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国交省/気候変動考慮した水災害対策検討開始/20年夏に検討成果取りまとめ  [2019年11月25日1面]

 国土交通省は、急激に進む気候変動の影響を考慮した総合的な水災害対策に乗りだす。22日に有識者会議を開き検討に着手した。将来的な降雨量の増加を反映した治水対策の在り方を探る。洪水発生を前提とした被害軽減策や早期回復への取り組みも練る。公助・共助・自助による包括的な対策の実現に向け法制度や仕組みの整備も議論する。来夏にも検討の成果を取りまとめる予定だ。
 同日に社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)河川分科会の「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会」(委員長=小池俊雄土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長)の初会合を開いた。
 冒頭、赤羽一嘉国交相は「将来の気候変動の影響を踏まえた抜本的な治水対策と、官民の連携の中でソフトとハードが一体となった流域全体の水害対策を議論していただきたい」と要望。「政府が策定する『新たな経済対策』に盛り込む緊急的な対策も検討していただければ」と語った=写真。
 大規模な水災害が相次ぐ中、行政だけで防災・減災対策を実施するには限界がある。行政や企業、地域住民の連携による治水対策の展開に向け、必要な制度や仕組みを検討する。主体的な取り組みを後押しするには、役割分担を明確化することも重要になる。理念法の整備も視野に入れ、対応を議論する。
 検討課題には▽ハード整備の要件にソフト対策や維持管理の適切な実施を組み込む▽国土・土地利用の最適化に向けた洪水浸水想定区域などの立地規制、移転促進▽既存遊水地の機能保全や強化▽中小河川などでの浸水想定情報の周知-を挙げた。
 これまでの治水対策は過去に発生した災害に基づき、施設設計や浸水想定区域の基準となる想定最大外力を決めていた。気候変動による降雨量の増加に加え、施設の耐用年数などに考慮した基準類の整備にも取り組む。
 小委とは別に▽堤防強化▽ダムの洪水調節▽水災害リスクを踏まえた街づくりの在り方-の三つの課題を取り上げ、対策を議論する有識者会議を12月にも設置する。設置済みの「気候変動を踏まえた海岸保全のあり方検討委員会」も含め検討内容を小委の議論に反映し、水災害対策全体としての実効性を高めていく。

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