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熊谷組/CO2からエチレンを生産する技術開発/実用化へ大学らと共同研究  [2019年12月2日3面]

開発の概念図

 熊谷組は11月29日、二酸化炭素(CO2)を原料にして化成品原料のエチレンを生産する技術を開発したと発表した。CO2を栄養源として生育する細菌「鉄酸化細菌」を利用して、エチレンガスを生産する点が特徴。鉄酸化細菌の菌体密度を高める培養装置も開発した。現状では生産効率が低いため、大学らと連携して研究を進める。3年後をめどに、パイロット試験に向けた道筋を付けることを目標としている。
 CO2からエチレンを生産した例はあるが、「鉄酸化細菌を使ってエチレンを生成するのはおそらく世界初」(技術本部技術研究所)という。
 同社は、鉄酸化細菌がCO2を有効活用できる点に着目し、高濃度CO2を封入して培養するとエチレンガスを生産する「CO2利用エチレン生産鉄酸化細菌組み換え株」を構築した。ただし、投入した鉄酸化細菌の鉄分が酸化されると頭打ちになってしまうため、電力中央研究所の電気培養技術を用いて通電させることで、酸化された鉄を還元させることにした。エチレン生産方法と開発した製造装置は、熊谷組が特許を出願済み。
 今後は、工業化に向けた基盤技術や、生産性を高めるための培養条件の最適化や通電制御の在り方などを詰めていく。研究に当たっては、茨城大学と芝浦工業大学と連携する。さらに電力中央研究所を加えた4者による秘密保持契約も結んでいる。
 SDGs(持続可能な開発目標)への貢献やESG(環境・社会・企業統治)経営の推進の一環とし、CO2の有効利用(CCU)の研究に取り組んでいる。レジ袋の原材料などとして利用されるエチレンは、石炭や石油を原料に生産されており、製造過程で大量のCO2が排出されている。CO2を用いてエチレンが生産できればCO2を大きく削減でき、CO2化学と呼ぶような新たな産業分野が生まれることも期待できると見ている。

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